【東京】内閣府は29日までに、沖縄本島への鉄軌道導入に向けた2014年度の調査結果を公表した。13年度調査までに検討した各モデルルートでのルート見直しや、地下から地上への構造変更などで一定の事業費の縮減が可能と試算した。社会的観点から事業効率性を評価する費用便益比の改善はわずかで、公共事業を実施する目安の基準には届いていない。15年度調査は費用縮減策を検討し、新たな県民需要予測調査、「上下分離方式」など制度を研究する。

主なモデルルート

 内閣府は鉄道とトラムトレイン(トラム)の2種類で検討した。費用縮減策として、トンネル建設での最新技術や小型システムの導入に加え、地下から地上への構造変更と部分単線化の区間を拡大した。ドライバーレス運行や省エネ技術の導入を検討し、開発中の「高速新交通システム」の情報を集めた。利益部分で観光客ら県外からの来訪者の需要予測を上方修正した。

 鉄道では、糸満-名護(うるま経由・国道330号ルート)で事業費は前年度比で約4%減の7600億円に圧縮できると試算。費用便益比が最も高かったのは、うるま経由・国道330号に空港接続線の組み合わせだった。

 トラムでは、糸満-名護(うるま経由・国道58号ルート)で、前年度比3%減の2800億円と試算。費用便益比の最大はうるま経由・国道58号ルートに空港接続線だった。

 鉄軌道整備による他の交通機関の運賃収入に対する影響も調査。うるま経由・国道330号ルートに空港接続線の場合、路線バスは年間5億3千万円(4・6%)の減収、モノレールは年間2億9千万円(7・3%)の減収と予測した。

 調査報告書は内閣府のホームページで閲覧できる。