恋人がいない若者の約4割は恋人が欲しくない-。20~30代を対象に内閣府が行った「結婚・家庭形成に関する意識調査」の結果だ。若者の「草食」ぶりの表れ、と一言で片付けられそうにない

▼恋人が欲しくない理由で最も多かったのが「恋愛が面倒」。「趣味や仕事に力を入れたい」と続く。恋人がいない若者が交際する上で抱える不安の多くは「出会いの場がない」で、「交際の進め方が分からない」と驚くような回答もあった

▼専門家は、交際相手がいない期間の長期化でコミュニケーション力に自信が持てなくなり、交際に消極的になる、と指摘する。学校や社会教育での社交性、対人スキル、その下支えとなる自尊心を育てる重要性も挙げる

▼『昆虫はすごい』(丸山宗利著)によると、広い森や高原で出合いの確率が低い昆虫たちは、その機会を増やすためさまざまな手を尽くす

▼甘い香りや鳴き声でアプローチ。獲物で好意を引く。究極はカマキリの雄で交尾中に雌に体を食べられる。オドリバエの中には前足から出る糸で獲物を包装する粋な“贈り物”も

▼行政や地域主体の「婚活」イベントも開かれているが、対人関係の根幹となるコミュニケーション力を磨く方が、遠回りにみえて、交際の不安を解消する近道かもしれない。昆虫のたくましい世界にもヒントはありそう。(赤嶺由紀子)