沖縄戦直後のふるさとの惨状を聞いたハワイのウチナーンチュが、命懸けで海を渡り、沖縄に届けた豚550頭-。遠く離れても固く結ばれたウチナーンチュの“絆”を象徴する逸話を後世に伝えようと、県などで構成する実行委員会が「海から豚がやってきた」記念碑の建立に向けて募金集めに動きだした。目標は500万円で、来年3月の建立を目指している。

沖縄へ豚を送る途中の船上写真。ジョン・イトムラさんの祖父島袋眞栄氏が保管していた=1948年(イトムラさん提供)

「海から豚がやってきた」記念碑募金の振込先

沖縄へ豚を送る途中の船上写真。ジョン・イトムラさんの祖父島袋眞栄氏が保管していた=1948年(イトムラさん提供) 「海から豚がやってきた」記念碑募金の振込先

 「島に人影なくフール(昔の豚小屋)に豚なし」と言われたほど、戦争を経て豚がいなくなった沖縄。10万頭余りいた豚は、戦後に約7千頭まで減り、食糧難に陥っていた。

 それを聞きつけ、立ち上がったのがハワイのウチナーンチュだった。故郷のためにと寄付金を集め、米国本土で豚を買い、ウチナーンチュ7人でオレゴン州の港を出発したのが1948年8月31日。想定外の食糧難や荒波に耐えながら、ようやく沖縄の地にたどり着いたのは、出発から28日後だった。この時に運ばれた豚550頭は4年後、10万頭にまで増えたといわれている。

 県やうるま市、沖縄ハワイ協会などは昨年5月、記念碑建立に向けた検討をスタート。沖縄県とハワイ州が姉妹都市になり30周年を迎えることし4月に、記念碑建立実行委員会(委員長・新垣秀彦県知事公室秘書広報交流統括監)を立ち上げた。

 建立場所は、豚を載せた船が到着したうるま市内になる見通し。9月末まで募金を集め、10月に来沖予定の県系3世デービッド・イゲ州知事に建立を報告したい考えだ。

 実行委事務局で県広報交流課の呉屋良松さんは「ハワイでの生活も苦しい中で沖縄を救ってくれた。風化させないよう協力をお願いしたい」と募金を呼び掛けた。募金は一口500円から。問い合わせは実行委事務局、電話098(866)2020。