【平安名純代・米国特約記者】鳩山由紀夫元首相が米軍普天間飛行場の県外移設を模索していた2009年12月、藤崎一郎駐米大使(当時)がヒラリー・クリントン元米国務長官(同)から異例の呼び出しを受けて緊急会談し、名護市辺野古移設の早期履行を要求されたとの当時の報道をめぐり、実際には会談は事前に調整されていたことが2日までに分かった。国務省がクリントン氏在任中のメールを公開した。

 同省職員がクリントン氏に宛てた同月20日付のメールによると、「カート・キャンベル(国務次官補)が明日の藤崎日本大使との会談であなたに少し会えるかどうか聞いている。カートが会議をし、ほんの2、3分の間、彼(藤崎氏)を連れてくる。あなたの考えを聞かせてください」とクリントン氏の意向を問い、これに対してクリントン氏は「OK」と返信している。

 当時、共同通信など日本の主要メディアは、クリントン氏が21日午後に藤崎氏を急きょ呼び出し、現行計画の履行を要求したなどと、藤崎氏が記者団に対して述べた内容を基に一斉に報道。これを受け、クローリー国務省次官補(当時)は22日の定例記者会見で、「日本大使がキャンベル次官補に会うために立ち寄り、クリントン長官の所にも立ち寄ったのだと思う」「呼び出されたのではないと思う」などと否定したが、その内容はほとんど報道されなかった。

 16年米大統領選の民主党最有力候補と目されているクリントン氏は、在任中の公務に個人用メールアドレスを使用していたため、同省は同氏が09~13年に交わしたメール約5万5千ページのうち、5月に約900ページ、6月30日に約3千ページを公開。残りは来年1月までに順次公開する。