【那覇】那覇の街を自転車で巡った「ぼくの〈那覇まち〉放浪記」(ボーダーインク)を出版した新城和博さん(52)が、まち歩きイベントを開いた。11人が参加。新城さんの著書を朗読しながら戦前の中心地である東町を歩き、変わりゆく那覇の街並みに思いをはせた。

著書を手に、市内を案内する新城和博さん(左)=那覇市

 まち歩きはバスターミナル前から始まった。旭橋駅からカフーナ旭橋へと渡る高架橋から西を望む。新城さんは戦前の市場の写真を手に「戦前の那覇はどうなっていたのだろう。失われた街を想像してください」と参加者に語り掛けた。

 その後は那覇港沿いに歩いて市街地に入り、旧市役所や山形屋などの跡地のほか、東町出身の詩人・山之口漠さんの家跡などを巡った。

 新城さんはトレーシングペーパーに古地図を印刷し、現在の地図と重ね合わせながら放浪記を作った。震災後の宮城県を訪ねた時、何もない街を見た。「沖縄の戦後の風景と近かったのではないか。街は一瞬で消えてしまう。でも人が覚えている限り、街は生きている」。イベントの最後には「那覇の街を埋もれさせるのはもったいない。どんどん歩き、多くの人に語っていきたい」と抱負を述べた。