太陽光発電システム販売のキングダムソーラー(那覇市、森山悦男社長)が、空き物件を改装し、外国人向けホテルを運営する新事業を進めている。国の再生可能エネルギー政策の見直しで市場拡大にブレーキが掛かる中、好調な観光業で新たな収入源の獲得を目指す。12月には那覇市内に1号棟が開業する予定で、年2千万円の売り上げを見込む。

空き家を改装した外国人向けホテルを紹介するキングダムソーラーの高志保雅常務=26日、那覇市若狭

 同社は中国で製造した太陽光発電パネルを輸入販売している。しかし、近年は国の太陽光発電の買い取り価格低迷で需要が落ち込み、売り上げが3年前のピークから5分の1程度に落ち込んだという。

 森山社長が中国生まれでフィリピンやアメリカなどの海外在住経験があり、旅行業や貿易業を手掛けた経験から、外国人向けの観光業で新たな収入を模索。沖縄を訪れる観光客が増え続ける一方、宿泊施設が1日8500室足りなくなる県の試算に着目。外国人旅行者に特化したホテル計画を立ち上げた。

 県内の空き家率が上昇していることにも注目。総務省の「住宅・土地統計調査」によると、県内の2013年の空き家率は10・4%で、本土復帰直後の1973年と比べ約2倍に増えている。建築費の高騰などで初期投資が必要な新築ホテルの建設ではなく、空き家を改装する手法を取った。

 1号棟となるホテルは3階建て延べ床面積240平方メートル。1日3組限定で、キッチンを備え、最大で12人が同じ部屋に泊まれる設計だ。大家族で沖縄を訪れるアジアからの旅行者を想定し、他のホテルと差別化を図る。イスラム教徒向けに礼拝所も作る予定。インターネットを中心に多言語で集客を図る。

 高志保雅常務は「県内のホテルは一部屋に2、3人しか泊まれないところが多く、大家族だと別々の部屋に宿泊している。同じ部屋で寝泊まりしたいニーズは高い」と分析。「1号棟を軌道に乗せ、今後は那覇市内を中心に年3棟を開業させたい」と目標を語った。