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  • 大阪府内で在沖米軍基地の移設先を検討する市民団体が結成
  • 本土は平等に基地を負担すべきという沖縄の声に応える
  • 今後、識者を招いての講演会や首長に引き取りを要請していく

 沖縄に押し付けてきた米軍基地を引き取り、差別をやめたい-。そんな思いで大阪府民が市民団体「引き取る行動」を結成した。大阪で10年間、辺野古新基地建設に反対する運動を続けてきたが、国の作業が進む中で、長く悩み抜いた末に「本土は平等に基地を負担すべきだ、という沖縄の声に応えなくては」と決意した。今後、米軍基地がない大阪府内で在沖米軍基地の移設先を検討し、首長に引き取りを要請する予定だ。

高橋哲哉さん(左)らを交え、今後の「引き取る行動・大阪」の活動内容を話し合う松本さん(中央)と前野さんたち=5月、大阪市大正区

 結成の中心は福祉職員の松本亜季さん(32)。学生時代に辺野古で座り込んで抗議に参加したのを機に、2004年から、JR大阪駅前で毎週「辺野古に基地を造らせてはいけない」と呼び掛ける運動を始めた。当時は本土移設に賛同できなかった。反戦平和の理念に反すると思ったからだ。07年からは、沖縄県系人が多い大阪市大正区のエイサー祭りの会場で基地問題の展示に関わるようになった。

 しかし辺野古の状況は好転せず、次第に「本土の人々は問題を承知の上で基地を沖縄にとどめようとしているのでは」「これ以上同じ抗議の言葉を書き続けられない」と悩みを深めた。関西に住む県系人たちが催す講演会に足を運び、沖縄の過重な基地負担を植民地や差別の視点で捉えて本土移設を訴える県民の話を聞く中で「私も安全圏に住んで平和を享受しながら、沖縄に基地を押し付けて差別してきた一人」と考え発言するようになった。

 今年3月、大阪駅前で共に新基地建設反対を呼び掛けた自営業の前野覚さん(43)らと「引き取る行動・大阪」を立ち上げた。前野さんは「本土移設が必要だと感じてはいたが、運動の輪をどう広げるか葛藤していたので心強い」と語る。

 活動の第1弾として12日、本土移設に「YES」と応える新著を出した高橋哲哉・東京大学教授らを招き、大阪市で講演会を開く。共催を呼び掛けた「沖縄に基地を押しつけない市民の会」の金城馨さん(62)は「日本人と沖縄人が対等な関係を築く一歩にしたい」と話す。問い合わせは金城さん主宰の関西沖縄文庫、電話06(6552)6709。