バリアフリー観光の普及・支援に取り組むNPO法人バリアフリーネットワーク会議(沖縄市、親川修代表)が沖縄県内2カ所で運営する観光案内所の2014年度実績によると、病院や行政との調整・取り次ぎなどが必要な「相談」の件数は、前年度比約2倍、12年度比約3・3倍の1923件に急増している。観光ニーズの多様化や同案内所の認知度が高まってきたことなどが要因とみられる。一方で、県内ではバリアフリー対応の施設整備は十分といえず、親川代表は「県全体で受け入れ態勢の強化に取り組むべきだ」と指摘している。(久髙愛)

相談件数と問い合わせ件数の推移

 同NPOの実績は、電話などで対応できる「問い合わせ」、細かいやりとりが必要な「相談」に分類。12年度から報告書をまとめている。

 「相談」の件数は12年度が573件、13年度が957件に増加。14年度は2千件に迫った。特別支援学校の修学旅行で「訪問先や宿泊地の受け入れ態勢の準備や調整」「入浴の介助をしてほしい」「夜間の体位変更を依頼したい」などがあり、NPOで対応できない場合は、行政機関などに取り次いだ。

 「問い合わせ」は、県内施設のバリアフリーの対応状況を確認する内容が多い。14年度の問い合わせ件数は前年度比23・9%増1万3736件。「沖縄美ら海水族館に車いすで入場できるか」や「海水浴の際、ビーチに機材の持ち込みは可能か」などで、全件解決できている。

 また、車いすの貸出件数は前年度から約2割増えて648件。利用者は高齢者が多く、長時間の徒歩が困難で利用する人が多い。

 同NPOは07年に那覇空港、13年に国際通りに案内所(沖縄バリアフリーツアーセンター)を開設。介助が必要な観光客をサポートするため、施設の情報提供や車いすなど器具の貸し出し、子どもの一時預かりサービスも行っている。親川代表は「高齢化社会が進み、バリアフリー観光はさらに需要が高まる」と強調。県内の観光施設での環境整備が進んでいるとは言い難いとし「まずは、車いすレンタルなどが気軽にできる施設が増えてほしい」と期待した。