人工知能(AI)は芸術の領域にも進出できるのか−。

「世界初のAIの総合芸術展にぜひ足を運んで」と呼び掛ける美術家の中ザワヒデキさん(左)と草刈ミカさん=沖縄タイムス社

 囲碁ソフト「アルファ碁」が世界トップクラスのプロ棋士に勝利したことに衝撃を受けて、昨年5月発足した人工知能美学芸術研究会(=AI美芸研、東京都・中ザワヒデキ代表)が11月3日から、沖縄科学技術大学院大学(OIST、ピーター・グルース学長)と共に、恩納村のOISTキャンパスで「人工知能美学芸術展」を開催する。中ザワさんは「AIに根源的に絵を描きたいという衝動があるのか考えたい」と話す。

 芸術分野におけるAIの最先端事例の一つとして、オランダでは人間がプログラミングした自動生成ソフトを使い、レンブラントの筆致や色使いを学習したAIが「新作」を制作しているという。

 しかし、中ザワさんはさらに踏み込み、AIの「自律的」な芸術活動が可能かどうかを解明したいと意欲を燃やす。「何を美しいと思うのか。そもそも美しいと思う心があるのか、という普通人間にしかできないはずと考えられていることが本当にそうなのか、研究したい」と強調する。

 AI美芸研は中ザワさんが講師を務める東京・神保町の美学校などで1〜2カ月に1回の研究会を開き、議論を重ねてきた。今回初めて、国内外の表現者や研究者によるAIをテーマとする芸術の現在を展示しようと計画。「世界初」と銘打ち、視覚芸術分野を軸に音楽や文学、コンセプチュアルアートなどさまざまな作品を展示する。

 最も古いのは1950年代にメキシコのコンロン・ナンカロウが制作した自動演奏ピアノ。異色な作品としては人間以外の知性の芸術活動にも注目し、チンパンジーが描いた絵画も並べる。参加作家は45組(うち6組はチンパンジーとボノボ)。

 展覧会は来年1月8日まで。会期中は「AI美学と芸術」「未来のAI」などと題したシンポジウムを6回開催。「機械美学音楽」「人工知能音楽の先駆」などと題したコンサートを5回開く。詳細はウェブサイト、https://groups.oist.jp/ja/aiaae

 問い合わせはOIST、電話098(966)2184。