県酒造組合(玉那覇美佐子会長)は泡盛古酒の基準を厳格化し、8月1日の瓶詰めから全面適用する。

 日本酒造組合中央会(東京)が定める新しい「泡盛の表示に関する公正競争規約」では、全量が貯蔵3年以上の泡盛のみを古酒と表示することができる。これまでは、貯蔵3年以上の泡盛が総量の50%超であれば古酒と表記できた。異なる貯蔵年数の古酒を混ぜる場合は、新しい古酒の年数を表示する。

 2012年、総量50%未満を古酒と表記したり、古酒の古い年数の方を表記するなど不当表示が表面化、業界大手を含む計9社が中央会から警告・指導の処分を受けた。県推奨の優良県産品の認定を取り消されるなど、泡盛ブランドに大打撃を与えた。

 新規約は13年10月に施行されたが、今月までは移行に伴う「猶予期間」である。

 泡盛業界に限らず、消費者の信頼なしに企業は成り立たない。古酒の基準を厳格化することは企業にとっては社会的な責任をまっとうすることだ。泡盛業界は信頼回復に努め、古酒ブランドの再構築につなげてもらいたい。

 寝かせれば寝かせるほど熟成し、ほのかに甘い香りを放つ。喉越しはまろやか。世界の銘酒にも引けを取らないのが沖縄の泡盛古酒だ。

 基準の厳格化によって泡盛古酒に対する信頼度が高まるのは間違いない。何よりも、消費者には、お墨付きを得た古酒の価値がこれまでより何倍も上がると捉えてほしい。

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 国内の酒類市場が若者のアルコール離れ、健康志向などで低迷している中で、泡盛を取り巻く環境も厳しい。

 県酒造組合の発表によると、14年の泡盛総出荷量は2万21キロリットルで10年連続で減少している。沖縄ブームを背景にしたピーク時の04年は2万7688キロリットル。比較すると全体で27・7%減り、県外向けの出荷量も半減している。県内外とも減少傾向は止まらない。

 組合も手をこまねいているわけではない。古酒の魅力を知ってもらう古酒フェスタ、若者に狙いを定めた泡盛フェスタを県内外で開催し、頭打ちの現状打破を目指す。

 沖縄観光連盟が実施した「大学生の泡盛に関する意識調査」のデータがある。学生が好むのは焼酎やビールで、65%が泡盛をほとんど飲まない。理由は、泡盛は「おいしくない」「においがきつい」からというのが多い。

 泡盛の普及方法として「泡盛カクテル」「香りをフルーティーに」などを挙げており、泡盛業界にとっては若者を取り込む上で大きなヒントになりそうだ。

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 世界でも類を見ない黒麹(こうじ)菌(きん)を使った泡盛を世界遺産に登録しようという動きが泡盛関係者らから出ている。

 盛り上がりはまだまだの感があるが、この機運を県民の間に広げるとともに、沖縄観光コンベンションビューローと連携して県外への販路拡大に結び付けてはどうか。

 古酒の基準厳格化を再ブランド化のチャンスと捉え、泡盛の新しい飲み方にアイデアを絞る。内外に泡盛の魅力を広げていきたい。