【ウォード麗奈通信員】ロンドンのアーセナル・サッカースクールのコーチに在英歴14年の新垣興一さん(33)=沖縄市出身=が選ばれた。アーセナル・フットボールクラブは、イングランドの首都ロンドン北部に拠点を置くプレミアリーグ所属のプロサッカークラブだが、当スクールは選手のスカウトや若手を育てる学校だ。

アーセナル・サッカースクールのコーチとして日々研さんしている新垣興一さん=ロンドン

 父親の影響で少年時代からスポーツに慣れ親しんできた新垣さんがサッカーを始めたのは、沖縄カトリック小学校5、6年生のとき。中学校3年生まで続けたものの、進学のためスポーツの道を一度断念。沖縄尚学高校時代に英国へ留学したことがきっかけで、卒業後は英国の大学へ進学した。大学卒業後も現地に残り就職。数年前に仕事を辞め、MBA(経営学修士)取得のために大学院へ進学した。

 在学中の新垣さんは、経営に関する知識と知恵を試されるのはもちろん「一人の人間として、あなたは誰なのか、何者なのか、何になりたいのか」ということを何度も問われ続けた。その中で「スポーツ」と「教育」が根底にあることに気付かされたという。

 子供のころから大好きだったスポーツに再び関わり、プロのコーチから指導を受け、指導者としてのキャリアをスタートすることを決めた。スポーツに真剣に取り組みたい子供たちの指導に力を注ぐことを目標にする。社会人リーグのコーチやチェルシーFCのアカデミーコーチのサポートなどもこなした。

 昨年、休暇を利用して帰沖した際に、FC琉球やその他ジュニアサッカーチームの練習や試合を見学。「近年では沖縄から九州レベルで活躍するチームが出てきたり、すごくサッカー熱を帯びている。軽々しくは言えないが、将来的に世界のリーグでプレーするウチナーンチュが多くなれば最高」と語る。

 The FA(イングランドサッカー協会)では、育成年代専門のコーチ教育に力を入れており、アーセナル・サッカースクールのコーチは、定期的にアーセナルのサッカー研修にも参加。「ここで学んだことを生かし、近い将来沖縄サッカーのレベルの底上げに貢献できればこの上ない喜び」と語る新垣さん。

 自分の夢に向かって着実にキャリアを積み、「今後は、沖縄の選手やコーチたちが英国でサッカーを学べるような環境づくりにも着手したい」と熱い思いを語った。