衆院特別委員会で審議中の安全保障関連法案に危機感を募らせた法律家や研究者、市民らの反対運動が全国各地で活発化している。

 県内でも県憲法普及協議会と県議会与党5会派などが15、17日に那覇市・国際通りをデモ行進。25日には県民広場で2千人規模の集会を開き、廃案を求めていく。

 沖縄弁護士会は今月初め、30年ぶりに国際通りをデモ行進し、廃案を訴えた。同弁護士会から講師を派遣した若者の勉強会も開かれている。

 東京では14日も日比谷野外音楽堂を埋め尽くす大規模集会が開かれ、国会までデモ行進した。

 ツイッターやフェイスブックなどSNSでつながった若者たちは毎週金曜日、国会前で抗議集会を開いている。10日は約1万5千人が集まった。「だれの子どもも、ころさせない」を合言葉にした母親たちのグループもできるなど運動の輪は、憲法学者や研究者だけでなく、市民レベルに広がりをみせている。

 安保法案はそもそも違憲の疑いが強い。にもかかわらず、政府与党は衆院特別委で15日にも採決を強行しようとしている。

 都内で外国特派員協会の記者会見に応じた世界的なアニメ監督の宮崎駿氏は安保法案について「安倍首相は、憲法の解釈を変えた偉大な男として歴史に残りたいと思っているはずだが、愚劣なことだ」と厳しく批判した。

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 宮崎氏は辺野古新基地建設を断念させるため物心両面で活動を支援する「辺野古基金」の共同代表である。

 辺野古新基地について「沖縄の人の過半数以上が造ることに反対している」と指摘、真珠湾攻撃を引き合いに「標的を造るようなものだ」と政府を強く非難した。

 辺野古新基地建設問題と集団的自衛権行使を可能とする安保法案は共通点が多く、密接に関連している。

 政府が米国との関係を最優先し県内の選挙で示された民意や世論調査に一切耳を傾けないこと、米軍と自衛隊の一体化が進み戦争の当事者になれば沖縄が再び戦場になり標的になる恐れが強いこと、県民、国民の頭越しに米国と一方的に約束していること…。米国への「自発的隷従」というほかない。

 宮崎氏は中国についても「軍事力で膨張を止めようとするのは不可能だ。もっと違う方法を考えなければならない」と答えた。沖縄は「日本と中国が両方仲良くする所になるといい」と述べた。「争いの前線」でなく「融和の海」こそが沖縄にふさわしいのである。

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 憲法について宮崎氏は会見で「15年にわたる日本の戦争は、300万人の死者を出し、惨憺(さんたん)たる経験を日本人に与えた。平和憲法は、それに対し光が差し込むような体験だった」と語った。

 「不戦の精神は、決して歴史的に孤立しているのでも、占領軍に押し付けられたものでもない」と言及した。その平和憲法が重大な岐路に立たされている。