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  • 沖縄本島東側の米軍訓練区域の制限一部解除から1年を迎える
  • マグロの好漁場だが、区域内での沖縄漁船の操業実績はない
  • 区域が狭く漁に支障があるためで県漁連は全面返還を望む

 沖縄本島東側の米軍訓練場「ホテル・ホテル訓練区域」の使用制限の一部解除から、16日で1年を迎える。解除対象区域では、訓練がない場合の航行や一定の漁業が認められたが、沖縄県漁業無線協会によると13日現在、区域内での県内漁船の操業実績はない。漁業関係者からは「区域が狭い」などと不満が漏れる。県漁連の上原亀一会長は「区域の拡大や操業形態の拡充を粘り強く訴えていく」と話した。(新垣卓也)

ホテル・ホテル訓練区域の使用制限の一部解除区域

 日米両政府は2014年3月、日米合同委員会で一部解除を合意。同年7月16日には、沖縄防衛局と在日米海軍が連絡体制などを盛り込んだ協定を締結、同日付で発効した。

 解除対象区域は約2300平方キロメートルで、米軍側が毎週1回、翌週の航行・操業が可能な日時を沖縄防衛局に対して通告。県漁業無線協会が同局からの情報を基に、県内漁業関係者へ日時を伝える。

 漁業者は航行・操業が可能な日でも、同協会へ入出域の通報を行う義務があるが、13日までに県内漁船からの通報はなかったという。

 県近海鮪漁協の我如古清組合長は「ホテル・ホテルはマグロの好漁場。一部解除は大変ありがたいが、懸念は多い」と訴える。

 解除区域周辺には浮魚礁(うきぎょしょう)(パヤオ)があり、集魚灯や一本釣りなど小型漁船が多く操業している。加えて、解除区域が狭いため「はえ縄漁をすれば、流された縄が絡むなど小型船とのトラブルが起きかねない」と指摘。「全面返還されれば漁獲量は大幅に上がる。漁業者だけでなく、県全体で改善を求めていくべきだ」と話した。

 県漁連の東江芙佐人専務は「米軍の“訓練区域”であるという一抹の不安があり、入域しない漁業者もいるのでは」と分析。

 「マグロがよく釣れる漁場は気候などで変わる。2年目以降の実績もみていく必要がある」とした上で、「全面返還が最も望ましい」と付け加えた。