衆院選は沖縄では「オール沖縄」勢力が3議席を獲得し、5度目の反基地の民意を明確にした。まさしく選挙を通した政府への「沖縄謀反」であった。ところが全国的には自公が圧勝した。希望、維新、民進の各政党も沖縄の基地存続、辺野古推進の政策を掲げている。安倍政権は日米軍事同盟をさらに強化するだろうし、集団的自衛権の積極的発動への懸念は強まるばかりだ。基地の重要性を高め、辺野古の建設もこれまで以上に国家権力を総動員して強引に推進するであろう。これまでのわが国の外交防衛のあり方では沖縄にとって基地問題の解決はますます難しくなっている。

かもがわ出版・2160円

 このような中で実にタイムリーな好著『沖縄謀叛』が刊行されている。タイトルに辺野古の建設反対、構造的差別への沖縄の怒りがにじみ出ている。

 編著者4人の座談会や論文はそれぞれの得意分野からの持ち味が存分に生かされ、基地問題を東アジア共同体構想、琉球独立論というこれまでにない視点から捉え、新たな解決策を模索している。琉球処分から辺野古の闘いまで構造的沖縄差別が連綿と続いていることもよく理解できるよう論じられている。

 鳩山友紀夫元首相は普天間飛行場を「最低でも県外」と県民に約束したが実現できなかった。背景に何があったのか。その真実を詳細に語っている。総理当時の発言とは全く違った基地問題解決への本音の発言が随所に出てくるのも目を引いた。鳩山元首相が辺野古の闘いを「それが本当の民主主義だ」と称賛していることには驚きと共感を覚える。

 琉球独立論の理論的展開も大いに読者を引き付けるであろう。構造的差別に怒り心頭の県民には独立論にも関心が高まるのではないか。

 東アジア共同体構想はわが国の外交・防衛政策に転換を迫っている。日本は戦後、過度にアメリカ従属の政策を進め、沖縄がその犠牲となった。その解決策になる可能性を提言している。本書を手にした多くの読者は基地問題の解決に向けて勇気と希望が湧いてくるであろう。ぜひ手に取ってほしい。(照屋寛之・沖縄国際大学教授)

沖縄謀反
沖縄謀反
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鳩山 友紀夫 大田 昌秀 松島 泰勝 木村 朗
かもがわ出版 (2017-08-03)
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