1923年の関東大震災で「朝鮮人暴動」のデマを信じた住民によって、沖縄出身の儀間次郎さんら3人が撲殺された「検見川事件」の学習会(主催・同事件を語る会)が3日、那覇市内で開かれた。差別やヘイトスピーチなどの取材を続けるジャーナリストの安田浩一さんも参加し「弱者を差別し、デマを信じ込む力は近年、拡大している」と指摘した。

「弱者が権利を主張するのは許せないという感覚が社会全体に広がっている」と語る安田浩一さん

 東京から千葉郡検見川町に避難していた儀間さんや秋田、三重出身の3人は青年団から「朝鮮人」と決めつけられ暴行を加えられた。語る会の島袋和幸さんは「共通語が不自由な地方出身者を『朝鮮人』と決めつけ、他にも多くの犠牲があった」と指摘した。

 安田さんは昨年の熊本地震後に短文投稿サイト「ツイッター」で高校生らが「朝鮮人が井戸に毒を投げ込んだ」などの書き込みをした事例を挙げ「94年前のデマは今も差別意識とともに引き継がれている」と述べた。

 ヘイトスピーチなど差別言動をする人について「女子中学生や主婦、知的水準の高い大人も多い。社会全体が差別を意識的、無意識的に許容し、沖縄や韓国、中国を批判する本が売れる。良識的な出版社もそういった本を出さざるを得ない状況にある」と警鐘を鳴らした。