好きな本の魅力を聴衆の前でPRし、投票で勝者を決めるビブリオバトルというゲームがある。10年前に京都大の研究員が考案し、読書好きの人を中心に全国へ広がった。県内でも2013年ごろから開催されていて、8日には高校生の県大会も開かれる

▼発表者が1冊の本を選んで、その良さを制限時間内で訴える。聴衆が最も「読みたい」と思い、票を集めた本を「チャンプ本」として認定する

▼読書週間まっただ中の4日、県立図書館で開かれたバトルを観戦した。勝敗という要素が入っているからなのか、参加者が本を読んできて互いに感想を話し合う一般的な読書会とは趣が違う

▼参加した中学生や図書館職員ら25人が、小説や人気のコミック、民法解説書などを持ち寄った。人の興味や関心、感動のツボは十人十色だということが実感できた

▼「この本の良さを知ってほしい」との熱意の向こうに人柄まで見えてくるのも面白い。バトルとはいえ、本好きの集まり。「その本を読んだら成績は良くなりますか?」などユーモアのある質問もあって和気あいあいとした雰囲気だ

▼ドイツの哲学者ニーチェに「他人の自我にたえず耳を貸さねばならぬこと-それこそまさに読書ということ」との言葉がある。自分を開き、他者を知り、世界に触れる。読書の新たな楽しみがさらに広がるといい。(玉城淳)