名護市辺野古の埋め立て承認を検証してきた第三者委員会の報告を受け、翁長雄志沖縄県知事は16日午前、県庁で記者団の質問に答えた。冒頭発言と一問一答は次の通り。

第三者委員会からの報告について、記者の質問に答える翁長雄志沖縄県知事=16日午前10時34分、沖縄県庁

【冒頭発言】

 本日、第三者委員会の大城委員長から検証結果について報告を受けました。内容の詳細について、本日は申し上げることはできませんが、結論は埋め立て承認の手続きにおいて瑕疵(かし)があるというものでありました。報告書については顧問弁護士の意見を聞くなど、内容についてしっかりと精査した上で、今後、埋め立て承認の取り消しを含めてどのように対応することが効果的なのか、慎重に検討していきたいと考えています。

 その上で、私の考えが固まり次第、あらためて会見を開き、私がとるべき対応を明らかにしたいと、思います。報告書の要約版については先にお配りをしていますが、報告書につきましては精査が終わり次第、関係資料及び議事録を含めて、公開したいと思っています。

【一問一答】

記者 埋め立ての必要性と、公有水面埋立法の4条1項1号、2号、3号の承認にいたる要件、すべてで法律的な瑕疵が認められるという結論が出た。受け止めと、今後の対応を。

知事 要約版もしっかりとは精査していないんですよね。そういう中でも大城委員長からは私どもからそういった検証してほしいという話があったので、法律的な側面から公平、公正に瑕疵がないか精査しました、と。その中で瑕疵があったということになりますが、それをもってどうしろということには私たち(第三者委)の立場にありませんので、皆様方(県)でそれを参考にしてお考えになってくださいということでしたので、これからその精査をして、私の公約にどのような形で関わっていくかについてこれからしっかりとやっていきたいと思っています。

記者 菅官房長官との対話が始まっている。法律的な側面のほかに、政治的な側面も取り消しの判断には影響するか。

知事 私としてはあらゆる手段を尽くして、というようなことを申し上げてまいりました。そのことからいうといろんな形で正当性のあるものについては多くの国民にも政府にも訴える中から、新辺野古基地は造らせないと言うことになろうとは思いますけど、法律的な側面はこれから精査しますので、これについて今日、これをベースとして話することはないが、法律的に瑕疵があったという報告は受けているので、それをベースにして、これからどのように効果的に私どもがそれを判断できるようなものがあるかどうか、それをしっかりと見極めて、さらに顧問弁護士と相談しながら、別の形での法律的な私どもの立場からの精査して、良い形で私たちの考え方になればありがたいかなというふうに思っています。

記者 報告書をすぐに公開しない理由。判断をいつごろまでに下すか。

知事 約半年にわたって、第三者委員会が公正公平中立ということで今日までやってまいりました。報告書が百数十ページ、補強するものが四百数十ページと聞いていますけど、そういうようなものの精査が大変重要であるので、要約版を配っていますので、それで皆様方も理解をいただき、先ほどの言葉の中でも申し上げましたが、報告書につきましては精査が終わり次第、関係資料、議事録を含めて公開します。そういったことで理解をいただきたい。判断の時期は相手もいることですので、いま言ったように対話が始まっているということもあります。大変シビアな対話になると思いますが、やはりこういったこともにらみながら、その間にしっかりと検証させていただき、ある意味で公約である新辺野古基地は作らせないというものをいかに効果的に判断できるかということをこれから一生懸命に頑張っていきたい。

記者 対話が続く以上は取り消しの判断を下さないのか。

知事 こうしたらこうなりますといった確定的な話はできませんので、いずれにしましてもこれはこれとしていずれにしても検証に少し時間を要しますから、そういったものも踏まえながら、また会談というのはいつ行われるか分かりませんので、極端に言うと数日のようにあるかもしれませんし、1カ月後かもしれませんし、何とも言いようがございませんので、この辺のところも踏まえて、私たちの考え方をより強固なものに持っておきたいということですね。

記者 撤回というワードが知事の中から出なかった。取り消しのみと言う認識か。

知事 検証するというのはあらゆる意味での検証だと思いますから、きょうはいわゆる法律的な瑕疵があるということで報告を受けていますから、法律的な瑕疵というのはある意味で取り消しというものを支えるようなものに一般的にいうとなるわけで、そういったことを検証しつつ、ありとあらゆる手段ということですので、これから判断していきたいと思います。

記者 早ければ夏にも埋め立て工事と政府は言っている。その前に判断を下す考えか。検証結果を最大限尊重する考えに変わりはないか。

知事 工事が次の段階に入る等々を横目でにらみながらというのはそういうことでございますし、最大限尊重するということは今日までも申し上げてきましたし、検証して、顧問弁護士を含め、うちの関係部長にも相談しながら、最大限尊重して、私の判断を下していきたいと思います。

記者 取り消さないとすると政府に何を求め、何が実現すれば取り消さないという判断になるか。

知事 もしもということについては私の判断に関わってくるので、これについては先ほど来言っている私の公約をいかに効果的に実現できるかということで、検証し、より私の考え方を中身をまだ詳しく見ていないが、補強できるものになればと思っています。

記者 政府との対話という部分で、瑕疵ありの結果が出た。会談の中に結果を組み込むのか、それとは別に対話は対話で続けるのか。

知事 相手がいることなので、要約版は全県民、全国民が触れることですから、私からそれをベースにしながらということもあるでしょうし、向こうからこれをもとに私に質問があるかもしれませんし、私だけでこうなるとは言えませんが、周知の事実の中で、対話がなされるということにはなると思います。

記者 報告書をきょう公開しない理由をあらためて

知事 この報告書というのは私たちも精査していない。それをすぐここで全部公開することは例えば一番簡単な形式的なことでいうと、数字に間違いはないだろうかとか、何か誤解をして、その内容等に事実関係がどうだろうか、ということも一番簡単な検証という意味ではそういうこともあるでしょうし、うちも顧問弁護士がいますから、そういったことに精通した方にも見ていただき、そういったことを除去して、除去するものがあるかどうかは別ですけど、そういったことも考えながら、検証してからしっかりとやる。議事録を含め全部公開することにしていますので、このことについて県民や国民のご理解をいただけるのかな、というふうに思っています。

記者 中立性が保たれないのではないか。精査して、除去したり、付け加えたりすれば。

知事 そういう意味ではない。まだ読んでもいないものだから。読んでいないものについて私が何がどうこうとは言えない。だから一番簡単なものでいえばという話をしているわけで、要約版の中でこれをベースにしてこれを裏付ける資料があると思うんですね。普通に考えれば。ですから皆さん方に要約版を渡したことで、これについて変更したり、どうこうして万が一なことがあったら、沖縄の命運がかかっているので、そのことについてどうのこうのというのはまったくあり得ない話です。

記者 報告書の詳細は関心が高い。精査にどのぐらいの時間をかけるか。

知事 私自身で読んで、これぐらいだろうなというものではないので、それにしてもそう長く検証時間が必要というわけではないが、私がいつまでといったらそれがひとり歩きしてこうなりますので、常識的に考えれば今言う工事もどのように進むかというのもありますからそれ相応の期間とかいいようがありません。長期的にどうのこうのではなくて、そういったもんだろうなと思います。

記者 常識的に考えれば、来月中。

知事 だからそんなことを言ったら相手もいることなので、いろいろ聞きたいだろうし、僕も中身は分からなくてもこれぐらいの期間では読んでみたい、検証してみたいというようなことを申し上げたいんですが、したいということと、できるということは違うので、ここのところはご理解をいただいて、皆様方に注目されている中で私たちも毎日毎日を過ごしていきますので、その中でしっかりと皆様方のそういうものにも答えられるような形でやっていきたいと思っています。

記者 国は法的な瑕疵はないと主張している。第三者委の結論とはまったく違う。

知事 政府は当初からそのような話をしているので、ただ私たちはその意味では疑問を持ちつつ、公正公平な第三者委員会を作って、その瑕疵がないかどうかをいろいろさせてもらっている。具体的な流れからすると、制限区域内に海上保安庁の船、工事船が入っているのに県の調査船は入られない。そういったことも今日までございましたので、そういったことも踏まえた上で、私たちからすると瑕疵があったということをしっかりと検証して、また私の論拠としていきたいと思っています。

記者 冒頭に「効果的」という言葉を使ったが、取り消し以外に効果的な方法が見つかれば取り消しをしないというふうに受け止められるが。

知事 イフというものはね。こういったもので、話をするということにはなかなか向かないと思います。ですから、これは第三者委員会が取り消しということ、いやいや取り消しではなく、瑕疵があったということで出てきていますので、最大限尊重させていただくということになります。

記者 公開しないことの関連だが、政府は知事が次の一手を撃つことで法廷闘争や行政手続きを含め、対抗措置を考えている。すぐに公開しないのは手の内を見せたくないという側面もあるのか。

知事 そういったことをストレートに言うと実にあれですけども、いずれにしろとにかく相手があることですので、官房長官の談話を聞いていても相手があることなのでと、なかなか政府の方の細かい話も今まで聞いたことがございませんので、そういった意味ではこれから対話も基本的にはやることになってますので、期間とかそういうものは別ですけども、そういったことを見ながら私たちの主張もしっかりとやっていきたいと思っています。

記者 今回、瑕疵があったというのは県の審査手続きに瑕疵があったという認識か。

知事 要約版に出ている以外は私も知りませんので、あのー今の段階ではその内容だとしか言えません。きょう初めて百数十ページや、四百数十ページをもらっていますので、その一行もまだ私は読んでいませんので、要約版でご理解をいただければと思います。