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  • 沖縄で還付金詐欺が相次ぎ4件470万円の被害。未遂は11件
  • 「医療保険の払い戻しがある」と高齢者を狙い偽電話
  • 高齢者が慣れてないコンビニATMで数字入力を指示する新しい手口

 「医療保険の払い戻しがある」などと偽り、現金をだまし取ろうとする還付金詐欺が沖縄県内で相次いでいる。沖縄県警への取材で、新たに6件の未遂事件があったことが16日、分かった。

高齢者に1人でコンビニなどのATMに行くよう仕向ける還付金詐欺が相次いでいる=名護市内のコンビニエンスストア

 3日の発生以降、被害は4件、計約470万円に上り、未遂は11件目。県警は「ATMで還付手続きをすることはない。不審な電話は相談を」と注意喚起している。

 県警によると、新たに確認された未遂事件は、14日に糸満市と浦添市でそれぞれ2件、宜野湾市1件、16日に嘉手納町で1件。非通知設定の電話で、男の声だったという。これまでに狙われたのは70~80代の高齢者。

■流ちょう説明 疑問挟めず 銀行以外のATMに誘導

 医療費や医療保険の過払い金があるとして現金をだまし取る「還付金詐欺」が7月に入り県内各地で相次いでいる。16日現在で4件約470万円の被害があり、未遂は11件。70~80代の高齢者が狙われ、いずれも銀行以外のATMに1人で向かわせ、携帯電話で口座間の送金を指示する手口だ。被害に遭った名護市の女性(76)は「テンポよく説明され、考える余地はなかった」と、巧妙な手口に悔しさを隠せない。

 女性は今月3日、約70万円を約30分間でだまし取られた。将来のため、教職員時代にためた定期預金だった。普段からATMで預金や引き出しはするが、口座間の送金は知らなかった。「電話で相手が言う数字を押しただけ。直接現金に触れてないし、詐欺だとは思わなかった」と悔やむ。

 女性によると、電話の男は「医療保険の内容改訂に伴い、過払いがあった」「半年前に通知を送ったが何人かは届いていない。無くても簡単な手続きで5万円を払い戻せる」など、疑問を挟む余地なく畳み掛けてきた。言われた通り近くのコンビニエンスストアのATMへ移ると、次々に数字の入力を指示された。

 男は電話でのやりとりの最中、「後ろに客はいないですか」「明細書は捨ててください」と警戒もしていたが、「頭の中は早く手続きを済ませようとの思いだけ。深く考えなかった」と女性。男はさらに次のキャッシュカードをATMに挿入するよう要求、残高が少ないと知り電話を切った。

 一連の出来事を聞いた友人に「詐欺っぽいよ」と指摘されたが、女性は「現金に触れていない」との理由で信じなかった。数日後、口座を確認するとほぼ全額なくなっており、詐欺だと気づいて警察へ届け出た。

 県警によると、過払い金還付の口実でATMから現金を振り込ませる詐欺は、2012年に10件(被害総額810万円)発生して以降3年ぶり。70~80代を狙うのは同じだが、今回はコンビニやスーパーなど「銀行以外のATM」に誘導する点が異なる。犯行グループが金融機関の詐欺対策を警戒したためとみられる。

 おきなわ法律事務所の折井真人弁護士は「電話での還付手続きはあり得ない。そんな電話が来たら切ってよい」と呼び掛けている。