2017年(平成29年) 11月18日

沖縄空手

空手「究道」ここ沖縄にあり 小林流空手道究道館連合会、9カ国の支部長・代表

 沖縄空手の三大流派である「しょう林流・剛柔流・上地流」と異なり、世界中の空手四大流派は、松涛館(しょうとうかん)、剛柔流、糸東(しとう)流、和道流とされる。特に松涛館が多くの国で、80%以上の空手人口を占めているのに対し、首里手の流れをくむ「しょう(小、少、松)林流」の世界的普及はまだ十分ではないといえるだろう。10月、沖縄小林流空手道究道館連合会の9カ国の支部長や代表が「空手の日」を祝うため沖縄に集い、同会会長の比嘉稔氏の下で技を探求。究道館の空手への思いを語った。(取材・文=ミゲール・ダルーズ)

那覇市内で行われた稽古で。(前列左から)ライナー・シュマメリン氏、スペインのニャルビ・マシアス・グリエゴ氏、チリのホセ・オリバレス氏、ウルグアイのディエゴ・ラベリノ氏。(後列左から)セルゲイ・サルキシャンツ氏、ポーランドのダリウス・ノバック氏、パトリック・ロー氏、比嘉稔氏、ヘラルド・バルベス氏、ダニエル・エスピニジョ氏

 比嘉氏の叔父は、1933年に命名された小林流の開祖・知花朝信氏の高弟の一人、比嘉佑直氏。その魂を継ごうと海外の支部長、代表らの普及に努める決意は強く、世界の現状を語る言葉も熱い。

 「多くの本土系の空手愛好者は、自分たちが沖縄空手そのものを習っていると勘違いしている」と語るのはドイツのライナー・シュマメリン氏(49)。1920年代、本土に伝わった空手が、その後どう変化したのかに気づいていない−と指摘する。

 海外では「ピンアン」から「平安(へいあん)」という型が新たに命名されたものもあれば、名称は変わらない型もある。例えば、究道館において花城長茂氏から受け継いでいる型「慈恩」。本土の流派にも存在するが、オリジナルとは異なり、年とともに内容が変化しているという。

 カナダのヘラルド・バルベス氏(58)は本土系空手との違いを強調する。「究道館では、全動作に目的がある」。そのため「動作の論理と裏にある目的を追求することが、ある意味、空手の極意を探求することになる」と話す。

 米国のダニエル・エスピニジョ氏(58)も「小林流の作動は単純に見えるが実践的。どうやって動くのかではなく、なぜこの動きをするか。そこが重要なところだ」と語った。

 日本語を自由に使いこなし、ウチナー民間大使でもあるフランスのパトリック・ロー氏(57)は、本土系流派の愛好者に小林流の魅力を語るケースを紹介。「沖縄空手の基礎は接近戦、自然体による立ち方、呼吸法と技、本土空手に存在しない体の鍛え、マキワラでの鍛錬。そして、沖縄特有な理念の『健康第一』とルールにのっとった『いちゃりばちょーでー』がキーポイント」と強調した。

 ロシアのセルゲイ・サルキシャンツ氏(43)も流暢(りゅうちょう)な日本語で「自然体を中心に稽古される沖縄空手は、どんな体を持った人でも適応できる武芸」と実感を込めた表情で語った。

 支部長ら9人にとって究道館は「家族のような雰囲気が肌で感じられる場所。それが最も魅力的なところ」という。比嘉佑直氏の座右の銘「究道無限」を胸に、これからも質を大切に指導と普及に挑む考えだ。

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