県春季大会優勝の原動力になった興南の2年生エース比屋根雅也は夏も実力を発揮し、5年ぶりの甲子園を決める立役者になった。

優勝を決め、抱き合って喜ぶ興南のエース・比屋根雅也(伊藤桃子撮影)

糸満-興南 5回裏興南1死一、二塁、二宮尚寛が同点の右前適時打を放つ

優勝を決め、抱き合って喜ぶ興南のエース・比屋根雅也(伊藤桃子撮影) 糸満-興南 5回裏興南1死一、二塁、二宮尚寛が同点の右前適時打を放つ

 糸満との頂上対決は今大会初めて先制を許したが、粘りの投球。七回には自らのバットで4点目をたたき出した。「勝てば甲子園。負ければ新チーム。3年生と1日も長く野球がしたかった」と優勝の味をかみしめた。

 二回、今大会で初めて先制され、動揺が走ったという。だが「気にするな」「楽しめ」と先輩たちの言葉に「楽になった」と語る。

 再三のピンチもバックの堅守に助けられた。六回に3-2と勝ち越すと、「ここからはしっかり抑えよう。気持ちを整理した」とギアを上げた。

 「春はまっすぐで押したが、夏は変化球で空振りが取れるようになった」と振り返る比屋根は、決勝は今大会最多7安打2失点。「甘い球を打たれた」と反省しながらも、甲子園のマウンドを見据える。「大観衆に緊張すると思うが、楽しんで、自信を持って投げたい」と力を込めた。(粟国祥輔)

■代打二宮が同点打

 興南反撃の口火を切るタイムリーを放ったのは、代打の二宮尚寛だった。0-1の五回1死一、二塁の場面で、今大会初の打席に立った。

 「見逃すと流れが悪くなるので、初球からいった」。待っていたストレートではなく内角に落ちる変化球だったが、1球目を迷わずに振り抜いた。芯は外れたが、たたきつけた打球は一、二塁間を抜けてライト前へ飛び、二走石川涼が同点の生還を果たした。さらに後続が続き、この回逆転に成功した。

 点が取れない時、チームの雰囲気の悪い時に代打で送られることが多いという。「自信もあって緊張しなかった。気持ちよかった」と大仕事に頬を緩めた。

 南城市出身の母を持つ、静岡県出身の3年生。興南の春夏連覇を一緒にテレビ観戦した当時の監督に薦められたのが、興南進学のきっかけだ。連覇世代以来の大舞台に向け、「甲子園でも一振りで状況を変えたい」と目を輝かせた。(勝浦大輔)