那覇空港第2滑走路の増設事業に使用する石材について、沖縄総合事務局が申請していた県外からの調達を沖縄県が承認した。工期5年10カ月の達成に向け、気象条件が良い夏場に工事を集中するためには県内調達が厳しいとする事情に合理性があると判断した。県内の埋め立て事業では、初の県外からの搬入事例となる見通しだ。

埋め立てが進む那覇空港第2滑走路工事=2日(本社チャーターヘリから)

那覇空港第2滑走路施工計画の概要

第2滑走路の護岸工事の石材の内訳

埋め立てが進む那覇空港第2滑走路工事=2日(本社チャーターヘリから) 那覇空港第2滑走路施工計画の概要 第2滑走路の護岸工事の石材の内訳

▽県内調達の壁

 総事局の当初計画では、護岸(埋め立て地の外枠部分)に使う石材はすべて県内調達だった。採石業者も護岸工事期間に合わせ供給可能としてきたが、採石地の本島北部から海上輸送で那覇まで運ぶため、気象の影響を受けやすい点が課題となっている。

 運搬は塩川港(本部町)から一日平均6千立方メートルの輸送実績があるが、理想は9千立方メートル。仮に採石ペースを上げても運搬態勢に限界がある。

 総事局や県は本部港の使用も調整してきたが、旅客船との共同使用のため短時間の使用制限、石材の保管場所確保など課題が多く、運搬ペースをカバーする策として物足りないと判断した。

 6月からは日曜日の採石、石垣島からの石材搬入も始めたが「県外からの石材購入が避けられない状況に変わりはない」(総事局)と説明する。詳細な根拠を求めてきた県も、合理性があると結論を出した。

▽作業進まぬ冬

 2014年1月の工事開始後、冬期(11月~3月)は高波や強風の影響で、数日しか現場作業ができない月もあり、計画の見直しを迫られた。

 護岸工事の着工に伴う現場への土砂運搬が始まったのは、仮設桟橋が完成したことし2月以降だが、14年度の実績を踏まえ、夏場(4~10月)に工事を加速し、工期を達成する計画だ。

 14年は大型の台風19号など相次いで台風が襲来した。台風接近時から通過後まで最低でも10日間程度、作業が中止する。「昨年並みに台風が発生する最悪の想定での工程の試算」に基づき、県外からの石材を加えて本年度で一気に護岸工事の大半を進める。

▽外来種に重き

 11月1日施行の県外土砂規制条例は、環境面での外来種対策に重きを置く。総事局は採石地として候補に挙げる鹿児島県奄美大島で搬出前に石材洗浄し、目視確認する対策を説明。環境監視委員会で了承されたことから、県は「環境への配慮も妥当」とした。

 高波の影響で2カ所ある仮設桟橋のうち、北側の1カ所は冬期は高波で接岸が厳しくなるとみている。総事局開発建設部の小平田浩司部長は「10月末までに県外から搬入を急ぎたい」と方向性を述べた。条例上、10月末日までに搬入する場合は、条例に基づく県への届け出が不要とされている。(政経部・比屋根麻里乃)