【浦添】浦添市役所隣のベンチに、1人と1匹が水入らずで寝そべっている。同市安波茶に住む皆田博二さん(79)とメアリーだ。「もともとうちの犬じゃなかったんだけど、ひっついてくるからさ」。皆田さんは子どものころ、南洋ロタ島で左ももの肉がえぐられるほど猟犬にかまれたが、それ以来、どんな犬でも尻尾を振って、なついてくるのだという。

皆田博二さん(左)にあごを乗せるメアリー=13日、浦添市役所隣のベンチ

 メアリーとの出会いは3年前。台湾人の母子が「沖縄の港で拾った犬」を連れて隣家に引っ越してきた。「出かけるから2、3日預かって」と頼まれて快諾したが、母子はその後音信不通に。そのまま面倒を見ることになった。

 メアリーは子犬5匹を生んだ経験があり高齢というが、皆田さんが外出用のベレー帽をかぶった瞬間、お供をしたくて立ち上がる。毎日午前9時ごろに自宅を出て、正午前にはベンチで休む。買い物先では入り口で待ち、レジ袋を持った皆田さんを見つけて飛びつく。

 どうしてそんなに仲良しなのか。8歳のとき、ふるさとロタ島で猟犬にかまれ全治3カ月の大けがをしてから、犬になつかれるようになったという。「動物好きではあるけど、不思議だね」と皆田さん。

 深い傷跡が残る皆田さんの左ももに、あごを乗せて甘えるのがメアリーの得意技だ。(平島夏実)