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  • 安保法案をめぐり有識者3氏は法制化に否定的な見解で一致した
  • 解釈変更による集団的自衛権を問題視し「立憲主義の危機」と指摘
  • 沖縄での参考人会の議論が審議に反映されていないとの意見も

 安全保障関連法案が衆院で強行採決されたことを受け、沖縄タイムスは20日、県内の有識者を那覇市の本社に招いた座談会を開いた。沖縄大学の仲地博学長(憲法、行政学)、琉球大学の我部政明教授(安全保障論)、沖縄国際大学の佐藤学教授(政治学)が出席し、法制化に否定的な見解で一致した。法案の問題点として憲法違反や立憲主義の否定、集団的自衛権の行使による危機の抑制策が不十分であること、過度な米国への追従などの論点が示された。衆院の安保特別委は採決前に沖縄で参考人会を開いたが、内容が法案審議に反映されていないという指摘も相次いだ。

安保法制について話し合う有識者ら=20日、那覇市久茂地・沖縄タイムス本社

 仲地学長は「憲法学者のおそらく95%が今回の法案を違憲と指摘している。憲法の制定権者である国民の同意も得ておらず、立憲主義が危機に陥る」と指摘。政府の解釈変更による集団的自衛権の行使を問題視し、国民の合意を得た改憲手続きを経る必要性を強調した。

 我部教授は、政府が集団的自衛権の行使に歯止めをかけるため定めた3要件に言及した。

 朝鮮半島有事などで米国の艦船が現地邦人を救出する際に攻撃を受けた場合、日本側も武力行使が可能になるとの想定が不十分と指摘。「在外邦人は、米国の40万人に次いで中国の13万人が多い。(中国が領有権を主張する)尖閣をめぐる武力衝突が起きた場合、邦人保護は中国の方が難しいが、政府は日中間紛争を想定した説明をしていない」と強調した。

 佐藤教授は、法制化を推進する安倍晋三政権に「野党は壊滅状態。自民党内でも、かつてのようにリベラルな人たちが声を上げない。安倍氏はおそらく戦後最強の首相であり、選挙で大勝させた国民の意識も問われる」と問題提起した。

 6日に沖縄で開かれ、法制化に反対する人が過半数を占めた地方参考人会をめぐっては「行使による沖縄への影響を含め、参考人会での論議が国会審議にほとんど反映されていない」(仲地氏)など、不満が相次いだ。