第97回全国高校野球選手権沖縄大会は、第1シードの興南が、62校の頂点に立ち、5年ぶり10度目の夏の甲子園出場(優勝は5年ぶり11度目)を決めた。島袋洋奨(ソフトバンク)を擁して春夏連覇を果たした2010年以来の甲子園で、再び旋風を巻き起こすことを期待したい。

優勝旗を手にダイヤモンドを一周する興南ナイン=19日、沖縄セルラースタジアム那覇

夏の高校野球 今大会の記録

優勝旗を手にダイヤモンドを一周する興南ナイン=19日、沖縄セルラースタジアム那覇 夏の高校野球 今大会の記録

 興南は、2年生エースの左腕比屋根雅也を中心にした堅守が光った。今大会初めて先制を許した決勝の糸満戦では、勝負どころの守りで流れを呼び込んだ。

 五回にはバッテリーが外してスクイズを封じると、六回に外野から中継プレーで本塁突入を阻んだ。いずれの回もその裏の攻撃で得点し、「守りから攻撃のリズムをつくる」を体現した。

 比屋根は打者に背中を向け、さらに一塁側にインステップする変則フォームから角度のあるボールで打者を翻弄(ほんろう)した。全5試合に登板し(先発4試合)、40回2/3を35三振、自責点4、防御率0・89と抜群の安定感だった。

 立ち上がり、制球が定まらず甘い球を狙われることも少なくなかったが、尻上がりに調子を上げていった。試合中の修正能力はさすがだ。

 一方、強打のイメージが強い打線は、チーム打率2割8分4厘と物足りなさが残った。4強の中で唯一、コールド勝ちはなし。初戦の石川戦は13安打を放ち6-0で勝利したが、3回戦以降はいずれも4点以下のロースコアゲームを制してきた。その中で、4番喜納朝規は打率4割1分2厘、チーム最多5打点と勝負強かった。

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 シード4校が準決勝に進み、前評判通りの力を発揮した。準優勝の糸満は、1試合平均12安打を放ち、チーム打率3割6分と、4強一の打力を誇った。持ち味の機動力を絡め、興南を最後まで苦しめた。

 3年連続の夏の甲子園を目指した沖尚は、2度のサヨナラ勝ちと「逆転の沖尚」を印象付けた。準決勝の興南戦も、九回に一打同点の好機をつくるなど粘りを見せた。

 宮古は春準優勝に続き、10年ぶりの準決勝進出と躍進した。エースの松川竜之丞が5試合すべてに先発し、準々決勝まで1失点と好投した。

 4強以外では、好投手の活躍が目立った。8強入りした普天間の與那原大剛、八重山の名嘉真敦希、知念の金城臣矢は球に切れがあった。(粟国祥輔)