2017年(平成29年) 11月18日

社説

社説[「辺野古」警備費過大]公金返還し是正を図れ

 名護市辺野古の新基地建設を巡り、会計検査院は8日、海上警備に当たる警備員らの人件費が総額で1億8884万円過大だったと指摘した。

 防衛省沖縄防衛局が決められた算定基準に従わず、民間警備会社の「言い値」で契約を交わした結果である。納税者として納得できない。

 指摘を受けたのは防衛局が2015年~16年度に警備会社に発注した3件の契約だ。

 本来なら人件費の算定は、「公共工事設計労務単価」を適用しなければならない。

 防衛局は14年度には同単価とほぼ同じ額を支出したが、海上警備に何ら支障は生じなかったという。

 入札に関する見積もりを唯一提出したのがライジングサンセキュリティーサービス(東京)で、事実上1社を指名した形となった。

 同社の見積額は9時間勤務で日当3万9千~5万9400円。

 労務単価(沖縄は15年度2万2680~2万5440円)を大幅に上回ったにもかかわらず、防衛局はその見積もりで契約した。

 防衛局は「業務内容が特殊かつ大規模で、他の事例と単純比較するのは困難」と理由を挙げたが、具体的な内容は明らかにしなかった。

 検査院は、海上警備は制限区域内に接近してくるカヌーなどに立ち入らないよう注意喚起する一般的な業務で特別な技能は必要とされないと認定した。

 防衛局は国民の税金の無駄遣いという検査院の指摘を真(しん)摯(し)に受け止め、猛省すべきだ。

■    ■

 問題なのは防衛局が17年度も同じ警備会社と高額な契約を継続していることだ。

 早急に是正措置を取らなければ、無駄遣いはどんどん拡大していく。

 さらに不可解なのは現場の警備員に実際に支払われた日当は9千~1万円だったと検査院が報告していることである。

 ライジングサンセキュリティーサービスは防衛局から過大な支払いを受けたにもかかわらず、実際に警備員に支払われた日当はかなり低い額だった。

 その差額はどこに行ったのだろうか。

 検査院の指摘を受け、防衛省は今年9月に沖縄防衛局を含む地方防衛局に対し、労務費の算定を適正なものとするよう周知徹底するよう通知した。検査院はこれでもって返納を求めないという。

 検査院は陸上での警備を含め検査を徹底し、積極的に是正を求めるべきである。

■    ■

 検査院の指摘とは別に新基地建設を巡っては違法性が指摘される寄付やルールを無視した予算の使い方が目立つ。

 防衛局の環境監視等委員会の委員が受注企業から多額の寄付を受け、委員会の中立性に疑義が出たことがある。

 防衛省は新基地建設現場周辺の「久辺3区」に、建設に反対する名護市を飛び越えて補助金を直接交付する形も取っている。

 地元の理解が得られないまま新基地建設を強引に押し進めた結果、尋常ではない予算の使われ方がされているのである。国会がチェック機能を働かせてもらいたい。

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