2017年(平成29年) 11月20日

 会計検査院は沖縄県名護市辺野古沖の海上警備業務で約1億8千万円の無駄遣いを指摘したが、高額契約は今も続いている。総額がさらに膨らむのは確実だ。沖縄防衛局が1社を事実上指名して契約したことなど、他にも不可解な点は多い。全容解明には程遠い内容となった。

(資料写真)名護市辺野古沖

ライジング社が防衛局に提出した人件費の見積書の一部。9千~1万円の支払い実績に対して高額な設定になっている

(資料写真)名護市辺野古沖 ライジング社が防衛局に提出した人件費の見積書の一部。9千~1万円の支払い実績に対して高額な設定になっている

 今回、検査院が対象にしたのは2015~16年に結んだ3件の契約。警備員の人件費を高く見積もる一方、実際の支払いは少なく、契約の総額46億1千万円のうち1億8千万円(4%)が無駄と判断した。

 17年に結んだ28億3千万円の契約は検査や是正の対象外。現在も高額な人件費見積もりのままで、同じ4%を当てはめると、さらに1億1千万円の無駄が発生していることになる。

 ライジングサンセキュリティーサービスの関係者は「利益は出ている」と語り、人件費見積もりがよその海上警備業務と比べて高いことを認めている。別の関係者も高い見積もりが「もうかる」仕組みとした上で、「最初から青天井だった。会社も防衛省も知っていたことだ」と明かす。

 検査院は今回、「不当事項(法令違反など)に当たるまでの不当性はない」として指摘にとどめ、返還も求めていない。

 一方、07年度分の検査報告では、辺野古沖のボーリング調査で契約にない業務の追加を続けたことを「不当事項」と指摘。防衛省が職員を軽い処分で済ませると正式に懲戒処分を要求するなど、強い態度で臨んでいた。

 辺野古工事の問題点を調べている沖縄平和市民連絡会の北上田毅氏は「検査院の対応は過去に比べてあまりにも甘い。報道で問題化したために放置もできず、かといって工事を止めることもできない。政治的配慮から形だけの指摘をしたのではないか」と批判する。

 防衛局は15~16年の海上警備業務の契約に当たって、実績のあるライジング社だけが該当するような厳しい入札参加資格を設定。見積もり依頼にも同社だけが応じ、高い落札率で契約したことが分かっている。北上田氏は「防衛局は税金の浪費の全容と責任を明らかにすべきだ」と求めた。

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