ナチスがヨーロッパ中に恐怖をもたらしていたころ、人々は終わりの見えない戦争に心を痛め、恐怖に震え息を潜めながら生きていたのだろう。鬱々(うつうつ)とした当時の空気が痛いほど伝わる秀逸な戦争映画。

ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦

 舞台はチェコのプラハ。イギリス政府とチェコスロバキア亡命政府の指示の元、ナチスのナンバー3、ラインハルト・ハイドリヒ暗殺計画が実行された。実行したのはレジスタンスの若者たち。ナチス統治下の祖国チェコを守るため、危険をかいくぐりながら作戦を実行した彼らだったが、ナチスからの報復は覚悟した以上に残虐だった。

 守りたかったはずの祖国や愛する人たちの日常は恐怖で埋めつくされた。平和な未来を願った純粋な若者たちの愛国心が無残に傷つけられていく様子に、戦争という巨悪への憎悪が止まらない。(桜坂劇場・下地久美子)

◇同劇場であすから上映予定