沖縄本島内で製糖を手掛ける球陽製糖(うるま市、志良堂勝啓社長)と翔南製糖(豊見城市、仲里源勇社長)は24日、9月1日に合併し、新会社「ゆがふ製糖」を設立すると発表した。本島の製糖は1工場体制となる。従業員を約3割削減するなどの合理化策に加え、工場の稼働期間の拡大、営農指導体制を維持。両社ともキビの減産で採算ラインを割り込む中、合併によるコスト削減で工場の維持を目指す。

合併について会見する球陽製糖の志良堂勝啓社長(右)と翔南製糖の仲里源勇社長=24日午後、沖縄県庁

 本社と工場は球陽製糖に置き、12月から予定される来期(2015~16年産)の製糖作業は同工場で実施。両社合わせた約110人の従業員から30人の希望退職者を募り、ゆがふ製糖の従業員は80人規模となる。ゆがふ製糖にはJAおきなわ、りゅうとう、新中糖産業、北部製糖、金秀興産が同額で出資。新たな役員体制は株主の調整を経て「近いうちに決まる」としている。

 地域の農家に栽培・営農指導などを行う農務部は、本社のほかに北部と南部にも拠点を置く。3拠点に職員約25人を充て、合併前と同規模の指導体制を維持。キビに付いている枯れ葉を除去する集中脱葉施設は、15~16年期分は翔南製糖の現工場で稼働、その後はゆがふ製糖へ移す。

 同日、両社長が県庁で会見した。農家の高齢化や気象災害などで生産意欲が低下、キビの減産に歯止めがかからない現状を説明。合併による合理化は避けられないとした。

 工場集約の影響については「2工場体制時より製糖期間を延ばし、農家の収穫作業にゆとりを作る。栽培面積の拡大などに取り組める環境を整え、生産維持・向上を図る」と強調した。

 志良堂社長は「関係者一丸となって減産を食い止め、糖業回復に取り組む」。仲里社長は「生産者と製糖工場は車の両輪。増産に向けて頑張っていく」と述べた。

■会見一問一答

 -合併決定までの経緯は。

 志良堂社長「2013年9月に行政やJAなども含めた関係者で本島内の糖業の方向性などを確認し、2014年6月に両社の株主で構成される『合併推進委員会』が発足した。過去4年間の厳しい生産状況を踏まえ、両社の体力があるうちに合併しようということで協議し、決定した」

 -サトウキビの減産が続いている。

 仲里社長「農家の高齢化や労働力不足がある。近年の減産は台風や干ばつなどの気象災害の影響がとても大きく、増産に転じなかった。気象災害が連続すると、農家の生産意欲がそがれてしまう。また、他の園芸作物など収益性の高い作物への転換、担い手の流出も要因の一つになっている」

 -経営陣の体制は。

 仲里社長「役員についてはまだ正式に決まっていない」

 志良堂社長「これから近いスケジュールで株主が体制を決めると思う。合併までの1カ月内には決定し、公表できる時期に発表する」

 -従業員の処遇は。

 志良堂社長「職員には大変申し訳なかったが、合併後の売り上げや経費を考えると人員削減はやむを得なかった。ことし5月末までに退職希望者を募り、30人の退職が決定した。各株主が再就職の斡旋に協力し、斡旋を受けた職員もいれば、自分で再就職先を探した職員もいる」