戦中戦後の混乱で義務教育を受けられなかった人の学び直しを支援する沖縄県の事業が、本年度限りとなる可能性のあることが24日、分かった。県教育庁は希望者が少ないことなどから「終了が基本」との立場を示している。一方、夜間中学校でこうしたお年寄りを多数受け入れてきたNPO法人の珊瑚舎(さんごしゃ)スコーレ(那覇市、星野人史代表)は「まだ在校生がいる上、潜在的な希望者も多い。沖縄戦や戦後の貧しさのために学校に行けなかった人の学習権を保証してほしい」と事業継続を求めている。

珊瑚舎スコーレ=那覇市樋川

 同事業の対象は、1932~1941年の生まれで、義務教育を修了できなかった人。現在はスコーレなど教育関係の3事業者が受託し、30人近くが無料で学んでいる。

 もともとは2011年から3年間の事業だったが、その後も単年度事業として2度延長している。来年度は継続を視野に入れる一方、在校生が10人前後まで減る見込みもあることから、「予算の大半が国との調整が必要な一括交付金であり、継続はハードルが高い」(義務教育課職員)との見方もある。

 さらに、「卒業」の扱いについても懸念が出ている。

 現在は所定の課程を終えると、特例として「中学卒業と同等」と認められ、定時制高校などに出願することができる。しかし制度的に保証されている訳ではなく、事業終了後もこうした措置が続くのかは不透明だ。スコーレは「進学に支障が出ることだけは避けてほしい」と話している。(鈴木実)