2017年(平成29年) 11月20日

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米軍ヘリ炎上1カ月 日米の「事故対応指針」機能せず 沖縄県が改善要求へ

 米軍普天間飛行場所属のCH53E大型輸送ヘリが、沖縄県東村高江の民間地で炎上事故を起こしてから11日で1カ月となった。事故後、米軍が現場の土壌を持ち去るなど、米軍機の施設・区域外での事故対応を定めた日米ガイドラインが機能していない実態が改めて浮き彫りとなった。

沖縄県東村高江の牧草地で炎上した米軍ヘリ

ヘリ炎上事故で露呈した主な問題点

沖縄県東村高江の牧草地で炎上した米軍ヘリ ヘリ炎上事故で露呈した主な問題点

 県はガイドラインの内容の精査を進めており、見直しや運用の改善を含め日米両政府へ求めていく考えだ。一方、米軍はわずか1週間で同型機の飛行を再開、日本政府はまたもや追認した。

 2004年の沖縄国際大への米軍ヘリ墜落事故を契機に策定されたガイドラインでは、救助や消火活動を阻害する危険な搭載物や兵器の量、種類などの情報を、米軍は「判明次第、提供する」と定めている。

 だが、CH53に放射性物質が使われていたにもかかわらず、事故発生直後に消火活動に当たった国頭消防本部の隊員らには、有害物質の有無の情報が伝えられなかった。米軍は後に放射性物質の搭載を認め「健康被害を起こす量ではなく、全量を取り除いた」と説明したが、どの時点で取り除いたのか、いまだに不明だ。

 また、事故機に乗っていた米兵7人は着陸後、すぐに別のヘリで事故現場を離れた。ガイドラインでは事故後の「責任者」は、搭乗していた指揮官か幹部で、職務の遂行が可能な者としており、決まりに反している可能性がある。

 ただ、ガイドラインでは何に対する責任かが明文化されていない。在沖米軍トップのニコルソン四軍調整官は富川盛武副知事と会談した際、現場から離れた理由に関し①事故当事者は現場から離す②隊員らの健康調査の必要性―を挙げた。ガイドライン以前に日米間の認識の違いが露呈した。

 このほか、内周規制線内での日本側の立ち入り調査や、米軍による土壌の持ち出しなど、ガイドラインを巡る問題が今回の事故で表出。沖縄防衛局も米軍の事故対応には課題があったとして、米側と議論する方針を示している。

 県幹部は事故の教訓が生かされていない現状に関し「ガイドラインが現場の隊員まで周知されていないのではないか。実効性を高めるために早急な修正協議が必要だ」と指摘している。(政経部・大野亨恭)

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