全国に先駆けた子ども支援策を次々打ち出している兵庫県明石市の泉房穂市長を招いた講演会(沖縄クレサラ・貧困被害をなくす会主催)が9日、那覇市の八汐荘で開かれた。第2子以降の保育料や中学生以下の医療費の一律無料化など、子ども・子育て支援に予算を大幅にシフトした独自の施策の効果で人口が増加し、街が活性化している現状を報告。約110人が聴き入った。

「子どもを核にしたまちづくり」で講演する明石市の泉房穗市長=9日、那覇市・八汐荘

 明石市は人口約29万4千人。2018年、中核市に移行し、国が中核市に設置を促している児童相談所(児相)を19年4月に開設予定だ。県内では那覇市が13年、中核市になったが、設置の議論は進んでいない。

 泉市長は児相の業務を都道府県が担当する現状について、住民との距離が遠く家庭状況の情報なども持っていないことを挙げ、「基礎自治体が担う方が早期支援、継続支援、総合的支援ができる」と指摘した。

 第2子以降の保育料や中学生以下の医療費、公共施設の利用料を所得制限なしで子ども全員無料とするなどの施策の結果、20~30代の子育て世代の転入が急増していると説明。施策に必要な予算額を、市民税などの税収の伸びが上回っていると報告した。

 子どもの貧困対策でなく、子ども全体への施策であることを強調。「一部の困窮世帯だけ救うのでなく、全員対象の方が市民の理解を得やすい。子どもに予算をつぎ込む施策は子どものためだけでなく、街づくりにつながる」と話した。

 夫婦が離婚する際、養育費支払いや面会交流の取り決めを結ぶよう市が促す取り組みや、市採用の弁護士や社会福祉士、臨床心理士などの専門職員がチームで困りごとを抱えた家庭の支援に当たる取り組みなどを紹介。「先進的といわれるが、変わり者の市長が特別なことをしているつもりはない。全国どこの自治体でもできることばかり。本気かどうかが問われている」とメッセージを送った。