沖縄から世界を目指し、2年前に創設された沖縄国際大の重量挙げ部に課題が山積している。7月の西日本学生選手権大会で男子105キロ超級の知念光亮がジャーク、トータルのジュニア日本新記録を樹立するなど、所属選手の活躍が目覚ましいが、十分な練習環境が整わないため、部員も5人にとどまっている。

この日は大雨が降り、練習場内は雨漏りも。全身を映すミラーもなく、機材はすべて借り物で、プラットホームも3面と少ない=5月、沖縄国際大

 同部は2013年10月、当時高校王者だった知念(豊見城高出)、男子94キロ級の屋良一郎(南部工高出)、同77キロ級の仲西弘一(豊見城高出)の入学を見込んで沖国大が設立した。始動は3人が入学した14年4月から。知念、屋良はことし6月の世界ジュニア選手権に2年連続出場し、知念は4位、屋良は8位と、世界レベルで戦っている。

 大学で競技を続けるには県外への進学しか道がなかった沖縄重量挙げ界にとって、同部の創設は「有望選手が地元で競技を続けられる」との期待が高かった。

 だが2年目に入っても、練習場すら整っていない状況だ。現在の練習場は、野球部が倉庫として使用していたプレハブ。機材は全て関係者から借りている。プラットホーム(バーベルを挙げる場所)も3面と限られ、フォームをチェックするためのミラーもない。

 そのため、部員数も伸び悩む。現在は知念、屋良、仲西の2年生男子3人と、1年女子2人の計5人。4月から同部の指揮を執る金城政博監督は「練習施設が整わないと部員の勧誘もできない。重い重量を挙げるには補助する人員も必要で、思うような練習ができない」と憤る。

 特に、一般も含めた105キロ超級で国内上位に位置する知念は、来年のリオ五輪代表の可能性もあるだけに「今はとても大事な時期。目の前の大きな目標に集中させてあげたいが…」と危機感を募らせる。

 練習場の整備について、同大の狩俣恵一副学長は「早急に取り組まなければいけない問題」と認めるが、整備の明確な時期は決まっていない。県内高校に協力を求め、練習場を確保するよう動いているが、抜本的な対策とはならない。

 「地元から五輪へ」と意気込み、沖国大に進んだ選手たちのためにも、早急な改善策が必要だ。(運動部・勝浦大輔)