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  • 2014年に中学校を卒業した生活保護世帯の高校進学率は83・8%
  • 自治体が無料塾開始した11年以降、70%台から83〜85%台に上昇
  • 一方で全体 より12ポイント低い。経済困窮が教育格差に

 2014年3月に県内の中学校を卒業した生活保護世帯の子どもの高校進学率が83・8%にとどまっていることが29日までに、県子ども生活福祉部の調べで分かった。この年の卒業生全体の高校進学率95・8%と比べると、12ポイントも低い。10年の70%台半ばと比べるとやや改善の兆しが見られるものの、依然として経済的な格差が教育格差につながっている。(鈴木実)

 昨春は、生活保護世帯の卒業生382人中、高校に進学したのは320人にとどまった。進学率は10年が75・7%で、その後4年間で83~85%ほどに改善したものの、95%前後の一般世帯と比べるとまだ差がある。

 こうした現状に対し、一部の自治体は無料の学習教室を開き、一定の成果を挙げている。

 那覇市は11年に学習支援教室を始めた。運営はNPO法人エンカレッジに委託し、生徒は週2~3回、午後5~10時までの間に2時間ほど、少人数形式で学習している。今春は中3の42人全員が高校に進学した。

 一方、生活困窮者自立支援法が施行されたことに伴い、本年度から学習支援の枠組みも大きく変わった。自治体に対する国の補助額がこれまでの全額から2分の1になる半面、保護世帯に限られていた補助対象が生活困窮世帯まで拡大された。

 那覇市は900万円余の財政負担をした上で事業を継続し、定員も困窮世帯を含めて90人に増やした。本年度は、県が南風原町や西原町など5町を拠点に実施するほか、那覇市や沖縄市など10市も同様の事業を展開する。

 エンカレッジの坂晴紀代表は「無料学習教室は効果を挙げているが、実施している自治体はまだ少ない。対象も小学生にまで拡大してほしい」と一層の強化を求めた。