長女を虐待し死亡させた疑いで逮捕された父親(21)は、6月中旬まで家族と沖縄市に住んでいた。コザ児童相談所(児相)などによると当時、妻へのDVや長男への暴行などで警察に通報もあり、日常的なDVや虐待が疑われていた。しかし児相は、宮古島にある児童家庭支援センターにも連絡せず、宮古島市の職員が容疑者宅を訪問したのは、転居から1カ月もたっての1度きり。コザ児相は8月上旬までに職員を派遣する予定だったが、最悪の結末を止めるには対応が遅すぎた。

宮古島女児死亡 事件発生までの経過

 妻は転居後、コザ児相の相談員に「子どもへの暴力はないが自分にはある」などと夫の暴力を訴えていた。宮古島署は転居の数日後に訪問したが「妻が警察の関与を拒んでいる」と児相から連絡を受け、以後、接触はしなかったという。

 宮古島市や沖縄県警によると容疑者は、7月に自宅を訪れた市職員に怒声を浴びせ、宮古島署員の訪問にも反発。児相は夫の反発を理由に妻が警察の訪問を拒んでいると判断した。

 行政間の連携は十分だったのか。児相は「宮古島市には電話連絡だけ」と口頭でDVや児童虐待の疑いを伝えたと説明。宮古島市児童家庭課は「児相との連絡は3回だけ。職員を派遣すると6月に伝えられたが、2週間過ぎても連絡はなかった」。

 同課の担当者は「児相の事案なので、どれだけ動けば良いか分からなかった」と連携不足を認めた。

 一家が沖縄市に住んでいたころ、虐待やDV相談に携わった関係者は「相手を怒らせて関係が切れることもある。見守りながら会える日をつくることも必要だが、こんな結末になるとは」と落胆した。