9秒でまるわかり!

  • 県は辺野古新基地建設の協議書を提出した防衛局に取り下げを要求
  • 工事全体の実施設計がまとまっていない段階での協議開始に否定的
  • 国に取り下げる考えはなく協議で合意が得られなくても工事推進か

 米軍普天間飛行場返還に伴う名護市辺野古の新基地建設で、沖縄県は29日、埋め立て本体工事に向けた実施設計と環境保全対策に関する協議書を受理した上で、沖縄防衛局に対し、取り下げと再提出を求める文書を出した。翁長雄志知事は同日午前、那覇空港で記者団の質問に答え、「事前協議はボーリング調査終了後、全体の詳細設計に基づき、実施すべきだ」と述べ、全体の設計がまとまっていない段階での協議開始に否定的な考えを示した。菅義偉官房長官は同日の記者会見で、「政府として取り下げる考えはなく、県側と丁寧に協議していきたい」との考えを示した。

事前協議書提出と今後の流れ

 県土木建築部の伊禮年男土木整備統括監らが嘉手納町の防衛局を訪れ、協議書を取り下げ、実施設計の終了後に再提出するよう要求する文書を提出。8月10日までの回答と、取り下げない場合にはその理由や一部の協議から始める理由などを質問している。伊禮統括監によると、防衛局調達部の福島邦彦次長が文書を受け取り、「内容を精査して答えたい」と語ったという。

 防衛局は24日に協議書を提出。「協議は始まった」との認識を示し、8月14日までに協議書に関する質問を出すよう、県に求めた。翁長知事は質問への回答について「取り下げるか、しないかという(防衛局の)判断を待って、こちらも判断したい」と話した。県は一方的に質問期限を設けた理由も防衛局に問い合わせている。防衛局は辺野古沿岸の海上ボーリング調査24地点のうち、深場の5地点で調査を終了していないが、調査を終えた地点の護岸などの実施設計と環境保全対策の協議書を、一部先行する形で提出していた。

 協議書の取り下げを求める県の文書では「工事中の環境保全対策は一部だけではなく、護岸全体の環境影響評価を連続的に検討すべきだ」と指摘している。

 菅官房長官は会見で、「工事は段階的に実施されるものであり、段階的に協議するのは問題ないと思っている」と話した。協議で県側の合意が得られない場合でも着工可能との認識を示した。