沖縄県内の好景気を受け、農業融資がじわり伸びている。JAおきなわの融資残高は14年度から3年連続増加。沖縄振興開発金融公庫は4年連続で増えた。観光客の増加による牛肉や豚肉の消費拡大、全国的な子牛価格の上昇で畜産分野で資金需要が高まり、全体をけん引。人手不足解消を狙い、機械導入を進める動きもある。県内の農業産出額は12年から増加に転じており、産出額の伸びが農家の積極経営にも表れているといえそうだ。

 JAおきなわの2016年度融資残高は121億4700万円で、前年度から8・1%増と大きく伸びた。機械や家畜の購入といった事業規模拡大に活用される「農業近代化資金」が4億円増え、全体を押し上げた。

 沖縄公庫の農業融資残高は0・8%増の163億3100万円。使途の自由度が高い農業経営基盤強化資金「スーパーL資金」を活用して、子牛を育てる繁殖農家の母牛導入などが進んだ。

 宮古島市の農業生産法人「大海」は2年前から母牛の増頭を始め、子牛の出荷拡大に取り組んでいる。9千万円を投じ、牛舎を増設。60頭だった母牛を100頭まで増やす計画だ。上地良淳代表は「12年頃から子牛の取引価格は上昇が続き、設備投資に前向きになれる。増頭を計画している農家も多い」と話す。

 観光客の増加もあり、県産ブランド豚の消費も拡大。養豚農家でも設備投資が広がっている。「きび○(まる)豚」を生産・販売する福まる農場は15年、8億円をかけて豚舎と豚肉加工場を新設。今後も需要が高まると見込み、出荷頭数はこれまでの6倍となる3千頭を目指している。

 キクやサトウキビなどでは深刻化する人手不足に対応するため、トラクターや箱詰め機などの機械を取り入れ、生産性を高める動きもある。

 県内の農業生産額は11年に800億円まで落ち込んだが、子牛価格の上昇や、サトウキビの増産で12年から増加に転じた。4年連続で伸びており、16年には1千億円を突破する見込みだ。

 農林中央金庫那覇支店の野田治男支店長は「農業融資は全国的に横ばいが続くが、沖縄が伸びてきたのは地域の経済環境を反映した結果だ」とした。(政経部・久高愛)