【浦添】手動の車いすを駆使し、手でボールを転がしてゴールを狙う「車いすサッカー」という競技がある。障がい者と健常者が一緒になって楽しめる障がい者スポーツとして10年前、浦添市で生まれた。(粟国祥輔)

車いすを巧みに操り、ボールを追う参加者=サン・アビリティーズうらそえ

 同市を拠点に活動するabout(新里透久代表)は、競技の誕生とともに結成し、先月26日、チーム結成10周年を記念した交流試合をサン・アビリティーズうらそえで開いた。

 車いすサッカーは、同市のボランティア団体が、遊びの一環で考えたのが始まり。そこに競技性を取り入れ、ルール化した。

 ボールは、サッカーボールより大きい直径50センチの革製を使う。競技者の足が不自由であることを前提にしているため、ボールは手で転がす。“センタリング”などの浮き球も禁止で、GKが両手でボールに触れると攻守交代となる。

 aboutは車いすサッカーのチームとして、2005年7月21日に設立された。メンバーで、手足に先天性の障がいがある金城睦大さんは「一緒にサッカーをやろう、と軽い乗りで始まった」と振り返る。

 わずか5人で発足したチームは、この10年で約20人に増えた。サン・アビリティーズうらそえで週1回、障がい者と健常者のメンバーが一緒に汗を流す。

 金城さんは「アバウトは方言だと『てーげー』。年齢、性別、障がいの有無、重い・軽いは関係なく、フレンドリーにやろうと集まっている」と語る。主将の喜納景大君(首里高1年)は健常者。「もともとサッカーが好き。車いすでも楽しさは変わらない」と話す。

 10周年記念の交流試合では、関係者やミラクルという県内チームの選手ら約50人が参加し、心地よい汗を流した。about代表の新里さんは「それなりに盛り上がってきた」と一定の普及を喜ぶ。ただ、全国的にはまだ知られていない。電動車いすを使った車いすサッカーは、世界大会が開催されるほどメジャー化している。新里さんらは「浦添で生まれた競技を、今後は全国的に普及させたい」と意気込んだ。