【北部】沖縄本島北部のことしのウニ漁が禁漁となり、漁業者だけでなく、ウニを売りにする食堂の店主や楽しみにしていた客の落胆も大きい。これまでの今帰仁、羽地、本部、名護漁協にことしは国頭漁協も加わり、禁漁区域は本島北部全域に拡大。ことしの夏も地元産の甘いウニにありつけず、店主も客も「本当に残念」と肩を落とす。

ウニ丼。沖縄本島北部は禁漁となり地元産は食べられない

品書きを見る外国人観光客に「ウニ、ノー」と説明する菊池さん(右)。英語と中国語で「ウニ漁お休みです」と記した張り紙もしている=29日、今帰仁村古宇利島

ウニ丼。沖縄本島北部は禁漁となり地元産は食べられない 品書きを見る外国人観光客に「ウニ、ノー」と説明する菊池さん(右)。英語と中国語で「ウニ漁お休みです」と記した張り紙もしている=29日、今帰仁村古宇利島

 「ウニ、ノー」。ウニ漁が盛んな今帰仁村古宇利島にある食堂「しらさ」。名物のウニ丼目当てに訪れた外国人観光客に、店主の菊池園子さんが身ぶり手ぶりで伝える。本来なら、ウニ漁解禁でかき入れ時のころだが、禁漁が数年続き、客足にも変化が出ているという。

 県内外からウニの有無を確認する電話が何度もかかってくる。取材中、3組の客が来たが、ウニがないと知り、2組は引き返した。菊池さんは「お客さんを帰すのは心が痛い。ここのウニの味が忘れられないと来てくれるお客さんに外国産を出すこともできない。ウニで生活している人もいるので早く戻ってほしい」と願う。

 名護市の居酒屋「馨」の店内には「うに」の品書きが残っているが、しばらく提供していない。店主の比嘉馨さんによると「3年くらい市場にまったく入って来ない」という。夏になるとウニを楽しみに来る客もいるが、地元産と味がまったく違うため、外国産は提供しない。「ことしもだめだね。『うに』外さないとね」と残念がった。

 北部では多い時で漁業者1人当たり1日3キロ取っていたのが、1日1キロ取るのもやっとになるほど激減した。

 課題は禁漁の周知の徹底という。浜辺に出された禁漁の看板を見て「ウニがいる」と判断、海に入って取る人がいるため、羽地漁協の金城富久組合長は「昔からの慣習で誰でも取っているのが問題。漁師が育てようとしているのに、一般の人に取られては大変」と頭を抱えている。(榮門琴音)