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  • 再生医療の連携で豊見城中央病院と東京女子医科大学が協定を締結
  • 「細胞シート」の培養・治療技術を病院に移転する国内初のケース
  • 同院は国際医療ツーリズムの展開も視野に再生医療の拠点化を図る

 豊見城中央病院と東京女子医科大学が再生医療で連携する協定を結び、代表者が31日、沖縄県庁で発表した。同大学が開発した細胞シート培養と治療の技術を病院に移転する国内初のケース。細胞シートを使った食道がん患者への臨床研究を来年度から始め、膝関節軟骨などへの応用も計画している。5年間の協定期間を通して病院は再生医療の拠点化を図り、世界各国から患者を受け入れる医療ツーリズムの展開を視野に入れる。

再生医療の連携協定を結んだ(左から)東京女子医科大学先端生命医科学研究所の江上美芽客員教授と、豊見城中央病院の潮平芳樹院長、加藤功大先端医療研究センター長=31日午後、沖縄県庁

 協定は6月23日付。(1)細胞シート培養の技術指導(2)再生医療中核拠点化計画(国家戦略特区提案等)の検討(3)豊見城中央病院での臨床研究体制の整備(4)医師トレーニングなど人材育成(5)研究者や学生らの相互交流やシンポジウム協力開催-などを計画する。

 東京女子医科大学の治療技術の連携は国外ではスウェーデンのカロリンスカ大学、国内では長崎大学と進めている。しかし、長崎大は東京女子医大から空輸しており、培養技術を含めた取り組みは国内初となる。

 豊見城中央病院は2010年に再生医療センターと細胞調整室(CPC)を設立。充実した設備に加え、ことし1月には再生医療認定医に県内最多の4人が認定されるなど態勢を整えていた。

 豊見城中央病院の潮平芳樹院長は「細胞シートは東京女子医科大学が持つ世界に誇る研究と成果。研究や人材教育を進めて沖縄県だけでなくアジアに向けて再生医療を展開していきたい」と抱負を語った。東京女子医科大学先端生命医科学研究所の江上美芽客員教授も沖縄県内での研究は、アジアに向けた地理的優位性があると強調した。

 【ことば】細胞シート 培養した細胞をシート状にしたもの。疾患や部位など細胞の特徴によって異なるが、食道がん治療の場合は直径3・5センチほどの大きさのシートを内視鏡を使って患部に貼り付ける。組織や臓器に短時間での貼付やシート同士を重ねると、より治療効果が期待される。心臓や軟骨、角膜などへの治療に応用されている。