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  • KDDIや沖縄セルラーは、外国人向け翻訳システムの実証実験を行う
  • タクシーにタブレットを設置し、英・中・韓3カ国語を即時に音声翻訳
  • 固有名詞3千語を登録、円滑なコミュニケーション実現を目指す

 KDDIとKDDI総合研究所、沖縄県ハイヤー・タクシー協会、沖縄セルラー電話の4者は16日、県内でタクシーを利用する訪日外国人向けの「多言語音声翻訳システム」の社会実証を開始し、来年3月まで実施すると発表した。英語、中国語、韓国語の3カ国語に対応。その場で音声翻訳するほか、車内に設置したタブレットでも翻訳内容の履歴を表示することで、円滑なコミュニケーションの実現を目指している。

タクシーに登載された多言語音声翻訳システムのデモンストレーションで、マイクに話しかける女性=那覇市・沖縄セルラー電話

 KDDIグループの最新技術を紹介する「オープンラボin那覇」が那覇市の沖縄セルラー電話であり、関係者がタクシーの実車を使ったデモンストレーションを実施した。運転手と利用者が座席の前に設置されたマイクやタブレットを通して会話する様子が披露された。

 KDDIなどは同システムの2020年の商用化を目指している。社会実証は15年11月の鳥取県、16年12月の東京都に次いで3回目。KDDI技術開発戦略部渉外グループの沖本彰マネージャーは「より実用化に近いケースを目指し、訪日外国人の多い沖縄で始める」と意義を語った。

 これまでで最大規模となる50台のタクシーを使って検証する。沖本氏は「これまでの成果を踏まえつつ、マイクが拾う雑音の問題や使い勝手の問題を検証したい」と語った。運用面では、那覇空港や若狭バースなど訪日外国人の利用が多い場所に乗り場を設けるという。

 また、18台のタクシーを使った鳥取では1日当たり3件程度の利用があったが、沖縄ではその2倍以上の実績を期待しているという。

 今回は「沖縄辞書」として地名3千語以上を新たに登録。GPS情報を用いることで、同音異義語や地域によって読み方の異なる固有名詞の識別ができるようにした。車内のコミュニケーションの実態を把握するとともに、運転手からも課題を抽出し、改善につなげていくという。

 県ハイヤー・タクシー協会はこれまでも訪日外国人のニーズに対応しようと、沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)の「多言語コンタクトセンター」に通訳を依頼するなどしてきたが、新垣良勝統括部長は「なかなか迅速に対応できなかった」と説明。その上で「このシステムで課題が解消され、満足のいく観光ができるのではないか」と期待した。