春夏連覇から5年。当時のエース島袋洋奨(現ソフトバンク)をほうふつさせる左腕を擁し、興南が再び夏の甲子園に立つ。

トルネード投法で打者をかく乱する2年生エース・比屋根雅也=浦添球場

興南2番手投手として腕を磨く宮里匡輝=浦添球場

トルネード投法で打者をかく乱する2年生エース・比屋根雅也=浦添球場 興南2番手投手として腕を磨く宮里匡輝=浦添球場

 “島袋2世”との呼び声が高い左腕は2年生エースの比屋根雅也だ。打者に背中を見せるトルネード投法は島袋と同じだが、比屋根はここから一塁側に右足を踏み出して投げる。打者目線では、背中から球が来る感覚に陥るという。

 球に角度が付くため、アウトコースの球はベース側に通常より踏み込まないと当たらず、インコースは胸元をえぐって来る。

 春の県大会では打者を次々と翻弄(ほんろう)し、決勝の宮古戦は圧巻の10者連続三振を奪った。延長十二回で惜敗した春季九州大会初戦の2回戦では18奪三振をマーク。県3回戦から春季九州大会に敗れるまで、43イニング連続無失点の快投だった。

 迎えた夏の県大会。ライバル校の選手たちが最後まで比屋根を攻略できなかったのは、新たな変化球を隠し持っていたからだ。春までの比屋根の主武器は直球。だが「夏は通用しない」と考え、スライダー、ツーシームを磨いた。

 ただ、大会ではぎりぎりまで封印し、解禁したのは準決勝の沖尚戦から。「沖尚と、決勝の糸満の打者は真っすぐを待っていた」。変化球でかく乱し、目が慣れてくると直球を織り交ぜて的を絞らせなかった。尻上がりに投球の精度を上げ、修正能力の高さも発揮した。

 夏の県大会から背負う伝統の背番号1。「打者のインコースを突く強気の投球がしたい」と、聖地のマウンドが待ちきれない様子だ。

 2番手には右腕の宮里匡輝(3年)が控える。最速135キロの直球と緩急を使って打ち気をそらす投球が持ち味だ。「2番手とかは関係ない。投げている人が1番だ」。強い気持ちで甲子園に挑む。(粟国祥輔)