【小橋川慧通信員】芸術性の高さで世界的名声を誇るシルク・ドゥ・ソレイユ(以下シルク)エンターテインメント集団の企画・演出による、第17回パン・アメリカン競技大会の開会式が7月10日、トロント市のロージャズーセンターで行われた。

「愛の発見」をテーマにしたダンスを踊る國場めぐみさん(右から2人目)(45DEGREES, Cirque de Soleil Group. Photo by: Aaron Vincent Elkaim and Galit Rodan)

 シルクが組んだ最大規模の照明・音響装置を備えた舞台で、沖縄市出身のコンテンポラリー・ダンサー國場めぐみさん(26)が、トロント・ダンス・シアター(TDT)14人とともに躍動的な舞を披露し、国家的イベントに花を添えた。

 4万5千人の観客で埋め尽くされた会場への「聖火の到着」と「41カ国の選手団入場」。この二つをはさんで行われた演芸の部のパフォーマンスは、カナダの多様性に富む土地とそこに住む人々、またアスリートについての物語。まず、トロントの尊重する多重文化主義にふさわしく、この地方の先住民やいろいろな文化を代表する衣装をまとった183人による激しいダンスで始まった。

 國場さんらTDTのダンサーは、青年の「愛の発見」をテーマに、その過程の「相手の選択」に対するカナダ社会の許容度を織り交ぜて演じた。続いて、多くの可能性の中から自分の進路・職業の「選択の決断」をする葛藤のプロセスをテーマにした「可能性の嵐」を演じた。この部分の構成・振り付けを担当したのはTDTのクリストファー・ハウス芸術監督。空中、そして床上で能力の限界を極めた見事な曲芸・軽業をみせるシルクの「芸術家」との共演や舞台外での交遊は、國場さんのプロ意識を大いに刺激した。國場さんは「これほどの感動的で衝撃的舞台体験は生涯に二度とないだろう」と目を輝かして話していた。

 ツアー公演などの合間を縫って、6カ月にわたって準備した開会式での「一夜限り」のパフォーマンスで、國場さんはシーズン2014~15年の最後を飾った。そして「選択の決断」。数人の仲間は新しい冒険を選んでTDTを去る。いくつかの可能な選択肢を熟慮した末、國場さんは来季もハウス監督の下で成長する道を選んだ。

 7万5千人の選手によるパン・アメリカン競技大会は7月26日まで行われた。