昨年4月にうるま市で県内在住の女性=当時(20)=を暴行目的で殺害したなどとして、強姦(ごうかん)致死、殺人、死体遺棄の三つの罪に問われた元米海兵隊員で軍属だったシンザト・ケネス・フランクリン被告(33)の裁判員裁判の第2回公判が17日、那覇地裁(柴田寿宏裁判長)であった。被害者の父親が意見陳述で「被告を許すことはできない。極刑を望む」と語った。

那覇地裁

 被害者の母親も代理人弁護士が代読して「いまだに心の整理がつかず、無念で胸が張り裂ける思いだ」と心境を語った。柴田裁判長は公判の冒頭と証拠調べの最後に被告人質問を実施したが、ケネス被告は初公判に続き、黙秘権を行使。事件の詳細を尋ねる検察・弁護側双方の質問に答えなかった。

 公判では被害者の遺体を司法解剖した法医学者が、検察側証人として出廷。検察側の主尋問で「右の肩甲骨と肋骨(ろっこつ)には鋭い刃物などで背中から刺された傷があった」と証言した。

 被告人が捜査段階で供述している被害者を棒で殴ったり首を絞めたりした行為について、「死亡に至る可能性がある」と指摘。ただ「遺体の損傷が激しく、暴行の行為は解剖結果では裏付けられなかった」とも述べた。

 また弁護側が「被害者が犯行現場の地面に頭を打ち付けて亡くなった可能性がある」と主張していることについては、「草や土に頭を打ち付けて死ぬというのは考え難い」とした。

 弁護側は米国から取り寄せた資料などを基に「ケネス被告は20歳まで、たびたび注意欠陥多動性障害(ADHD)などと診断されていた」と説明。「成人に達してからは治療をしていない」と述べた。また「米国や日本での逮捕歴や前科はない」とした。

 検察側は「被告は2007年6月から14年9月まで海兵隊員で、『(仕事の)処理能力は高い』と評価されていた」と説明。「その間、精神遅滞やうつ病などと診断されたことはない」と指摘した。

 公判は24日に検察側の論告と弁護側の最終弁論が予定されている。判決は12月1日。