古酒の沖縄県外出荷拡大を目指し、県内43酒造所が出資する協同組合「琉球泡盛古酒(くーす)の郷(さと)」が、資金不足のため、2014年度に完成予定だった2棟目の貯蔵施設などの整備が進んでいない。泡盛出荷量の減少など各酒造所の経営状況の悪化で、協同組合は12年以降の追加増資ができていない。7月時点の総出資額は約3億8千万円で、整備計画の目標となる9億円の半分以下にとどまる。協同組合は「現状で増資は厳しい。各メーカーが出資できるように、泡盛の売り上げ増など環境整備に取り組む」としている。

(上)2013年に完成した「古酒の郷」の貯蔵施設1棟と管理棟=うるま市勝連南風原(下)当初計画段階の古酒の郷完成イメージ図

 07年に酒税軽減措置の延長が議論された際、業界側が出荷を拡大する戦略として政府に提示していた。協同組合が08年に作った当初の計画は、泡盛千キロリットルを貯蔵できる施設10棟を整備して10年間で最大1万キロリットルを貯蔵、泡盛博物館も建設する予定だった。しかし、泡盛の消費低迷などを受けて、翌年には貯蔵施設の規模を4分の1に縮小。13年に500キロリットルの貯蔵施設1棟と管理棟が完成した。

 資金は各酒造所が復帰特別措置法に基づく酒税軽減相当額の一部を拠出するが、12年以降は増資できていない。3酒造所が未加入で県内全酒造所の加入も実現していない。

 古酒の郷では、43酒造所から原酒を買い取り、貯蔵後にブレンドして販売。独自ブランドとしての販売や酒造所への出荷を想定する。現在は、原酒375キロリットルが貯蔵2年目に入っており、ことしは125キロリットルを追加購入する予定だ。

 貯蔵期間は原則10年間だが、運営コストなどを勘案し、5年後に貯蔵総量の20%程度の販売も考えている。

 協同組合は5年貯蔵古酒の販売に向けた議論に合わせて、あらためて古酒の郷整備計画の変更などを協議する。協同組合の又吉良秀専務は「今の2500キロより貯蔵規模が小さくなると共同事業で取り組む意味がなくなる」と計画縮小を否定した。