政府が辺野古新基地建設作業を一時中断すると発表したことを受け、翁長雄志知事は4日午前、臨時会見を開いた。会見とマスコミ各社との一問一答の全文を公開する。 

辺野古作業一時中断を受け記者会見する翁長雄志知事=4日午前、沖縄県庁

【冒頭発言】

 先ほど閣議の前に菅官房長官からも東京の方で発表があったと思うが、私の方からも、みなさま方にご報告をしたいと思う。

 昨年当選をして以来、いろんなことがあったが、特に3月、4月ごろから、とにかく工事を中断して、そして話し合いをしてもらいたいというようなことをいろんな講演とかシンポジウムで話をしていた。そういう中で約1カ月ほど前に、そういったことも受けながら、菅官房長官から中断についての話があったので、早速いわゆるそういったことに向けて、そういう水面下で調整をしながら、これから発表する内容等を詰めていって、そして、7月31日に官邸に私の方で菅官房長官を訪ねた時に、最終的な詰めをして、今日発表する次第だ。

 その間、私と浦崎副知事、安慶田副知事と3名で協議をしながらやってきた。窓口としては安慶田副知事にお願いしながら、ずっとやりながら7月31日に、ある意味で最終的に私と官房長官で決着というか、結論を得たことの内容を、改めてこちらから発表したい。

【発表文読み上げ】

 普天間飛行場移設問題について、政府との間で以下の内容で合意いたしましたので発表いたします。

 一点目に、政府と沖縄県は、本年8月10日から9月9日までの間を集中協議期間として、断続的に普天間飛行場移設問題について協議することとする。

 当該期間中、政府は、辺野古移設作業を全面的に停止することとし、具体的には、ボーリング作業の停止、スパット台船の撤去、資材等運搬車両の運行停止を行うとともに、7月24日に沖縄防衛局から提出された辺野古埋め立てにかかる事前協議書にかかる対応を期間中停止することとする。

 また、沖縄県は、当該期間中、第三者委員会の検証結果報告書を受けての対応を中止するとともに、辺野古埋め立て作業に関する新たな法的・行政的手続き等を一切行わないこととする。

 二点目に、当該期間中に、県による岩礁破砕立ち入り調査を実施することとする。

 私からの発表は以上です。

【一問一答】

記者 当該期間中は検証結果を受けての対応を中止するというが、この間は取り消し撤回を含めて判断を見送る、保留するのか。集中協議期間にこの問題がどういう風に動くと期待するか。

知事 今発表した通り、8月10日から9月9日までの間を集中協議期間として断続的に協議をするということになった。私としても第三者委員会の報告を含め、いろんな作業の状況を見ながら、それを横目でにらみながら、私の判断をしていきたいと申し上げてきた。そういう中で約1カ月間停止になるので、その意味では、この1カ月は両方とも動かないとなっているから、私たちから第三者委員会の検証結果報告書を受けての対応は行わないということになる。それは当然、停止がしっかり守られて、横目である意味でにらむ必要がないという状況の中で、これはそうなると思っているので、その間は見送っていきたい。それから、これからどう動いていくかということだが、いずれにしても今、入り口に立って2、3回お話をしたところだが、私たちからすると、やはり普天間飛行場を辺野古に移設することは不可能と、改めて申し上げたいが、その中では、やはり今日までは結論めいた話ばかりをお互い言い合っていたが、例えば海兵隊の抑止力の問題とか、あるいは国際情勢、あるいは歴史的な経緯も、裏づけの話をしながら、理解し合えるようなものがあるかないか、これがこれから話し合われると思う。話し合いで解決の糸口が探れる可能性があるのであれば、そのための努力は惜しまないという意味で、この1カ月間の集中的な協議になると思う。

記者 1カ月の猶予が生まれたことの受け止めは。1カ月ではなく恒久的な中断、中止にしていきたいか。 

知事 法的行政的な作業を中止するということです。その意味では政府の方で、1カ月だが中断に応じたことは、唯一辺野古だということには、そうこだわらないようになってもらいたいと思っている。ですから、私たちも主張し、その背景等を話しながら、1カ月の中断というものが、今日までの状況をいい形で一歩前進させるのであれば、これは重要な期間になる。

 そういう中で、この1カ月が延びるかは、今の時点では1カ月ということで区切っているので、まだスタートしていないので、そういった中で先々の事を話をすると、相手がいることなので、言葉遣いを間違ってはいけないから、いずれにしても交渉を決裂しないということを念頭に置きながら、前向きに物事を進めるが、沖縄県の主張はしっかりしたいと思っている。

記者 解決というのは政府が辺野古を断念するということか

知事 一番ベースはそれになると思いますので、そのベースの中から何かあるのかないのかも含めいろいろ議論すると思うが、それについてはまったく今日まで話をしたことがないので、どういう風になるか分からない、県側からすると、辺野古への建設は不可能というような中からいろんな議論をしていきたい。

記者 政府と県の協議の場は、移設協議会や沖縄政策協議会の下の作業部会などあったが、今後はどういった話し合いの枠組みを想定しているか。

知事 話し合いという意味からすると、今おっしゃるような今日まで設けているものの中でという話は出てきていないので、これから菅官房長官と、私をはじめとする両副知事、そういったような、今までの経緯から言うと安慶田副知事の方で交渉してきたわけだけが、三役を中心として事務方からは知事公室長が今回の最後の詰めはまとめてもらったので、そういった形でやるようになると思うので、ただ、決めたことではないのでどうなるか分からないが、イメージ的には新しいやり方でやるのかなーと思っているが、そういうやり方でやりましょうという話で決着ついたわけじゃないので、これから連絡を取り合ってその窓口の中で早めに第1回目も開始していきたいと思っている。

記者 ここに至る経緯をもう少し詳しく、いつ頃どういう場でこういう話が始まって今日に至ったかを補足で説明いただきたい。

知事 これは決してその中で今日という日が決まったわけではないが、安慶田副知事がカナダに行っていて、今日、晩に帰ってくると思うが、補足できるものがあれば後で補足したいが、私と浦崎副知事、安慶田副知事3名で相談しながら、約1カ月ほど前から官房長官に基本的なことを申し上げ、政府が応じるという中に今日発表したようなものをどうやって盛り込んでいくかというようなことで詰めてきたので、今日こういう話ができるようになった。

もう一回繰り返すが、7月31日に官邸を訪ねた時に、微調整があったのでそれを調整して今日という日が迎えられたわけで、その間のやりとりは普通に言えば今回出てきているようなものを、これはどうでしょうか、あれはどうでしょうかみたいなものをそれぞれ言い合いしながら、こういう風にまとまってきたと思っていただきたい。

記者 約1カ月ほど前に官房長官から中断の話があったということだが、そういった理解でよいか。

知事 あくまでも約、ということでやってください。例えば25日前とか、31日前とかってことでははっきり申し上げられないので、約1カ月という意味では間違いない。

記者 辺野古の作業を中止して話し合いの場を設ける、一方で県が求めていた立ち入り調査を実施することになったことについて、知事としては普天間基地の移設問題の解決に向けて前進したと評価しているか。

知事 去年の12月に当選して約3カ月間お会いできず、4月5月で官房長官、総理、防衛大臣という形でお話をする中で、こういった内容で合意に達したというのは、沖縄県側の思いも伝わったのかなという感じはしている。1カ月間、集中的に協議をするということで、お互いこれからが今まで主張してきたことの裏付けの話をし、それぞれが理解しきれるかどうかというようなですね、私2、3週間前にシビアなものがこれから行われるでしょう、というような話もしたが、まさしくそういう意味からしたら、そういうことになると思うので、こういう風に対話の道が開けて、私たちからすると工事がストップしたということは前進だと思っている。

記者 集中協議期間中に政府が従来の「辺野古が唯一」という方針を説明するだけでは前進にならないが、知事としては県外移設など辺野古移設に代わる新しい案が提案されることを期待しているか。

知事 可能性は別として、私たちが主張しているのは県外移設であるので、そうあってほしいという願いはあるが、それを可能性として捉えることを事前に話をするわけにいかない。いずれにしろ辺野古には造ってもらいたくないということにつながるような話であれば、話し合いをさせていただきたい。ベースは当然のことながら県外移設であるということ等をいろいろ議論をしたいと思っている。

記者 水面下という言葉使ったが、これまで見えないところで協議が行われてきたという印象は拭えない。今後概算要求など県側から要請控えた中、そういう見方がされる部分もあると思うがどう説明するか。

知事 私とすれば、この間、私の方で対応しなかったのは今おっしゃったような、密室であったり不透明であったりしてはいかんという部分も、トップはしっかり守っておかなきゃいかんという部分もあったので、両副知事と相談しながら窓口をつくって、いずれにしろ議論はしなきゃいけないので、そういった中で進めてきたと思っているので。最後の詰めの方で、私の方で出て行って官房長官と合意に達したということで、こうした形で発表できることも含めて、今日までの流れはそういう形でやった方が物事が前に進むのではないかということでは、よかったのかなと思っている。

記者 菅官房長官は「辺野古は唯一」という政府方針を元に政府の考えを伝えたいと。他の負担軽減策についても話していきたいと(記者会見で)話した。知事はどういった条件が出てきても、辺野古移設反対と県外移設を求めるベースに変わりはないという決意を。

知事 私どもはそういうことを主張してきた。辺野古唯一という以外にも、政府側が考えている日米安保体制というものについても変わりはあろうかと思う。辺野古の場合には、埋め立ててしまったらすべてがダメになると私たちは思っているから、いずれにしろそういったことをお互い主張しながら集中的に議論して打開策が出てくるかどうかってのはやってみなきゃ分からない話だが、せっかく糸口がつかめたので、いい形で物事が進めばいいと(思っている)。こちらも全力あげて議論していきたいと思っている。

記者 国政を見ると安倍政権は安保法案の審議、原発の再稼働など重要課題を抱える中で、沖縄との対立を回避したい狙いもあると思う。冷却期間を置く材料にされているという見方もあると思うが知事の受け止めを。

知事 いずれにしても政府が応じる、沖縄県が応じるというのは、私も今日まで対話がない時には大変頑なで、政治的にはどうだろうかという風にも言われたし、どこそこでお会いすると、密室で何か裏でやっているんじゃないかと言われるわけで、どっちにしてもプラスマイナスの両方から物を見ることができる。今おっしゃるようなものは、政府がどう考えているか分からないが、逆でいうと中断する重みは大きいと思うので、こういったこと踏まえて物事が推移していくのかな、と。この件は当然のことながらワシントンDCの方も無関心でいられないと思いますので、こういったことを踏まえた上で物事の議論が進んでいけばありがたいなと思っている。

記者 集中協議の第1回のメド。いつ頃になりそうか。

知事 官房長官の漏れ聞いていることなので確認はまだしていないが、知事をはじめとする両副知事含め交渉したいという話をされたと聞いている。今まで通り三役で官房長官とは対応するのかな、と。あるいは間に事務方が入るものがあるのかどうか、スタートしなければ分からないので、私としてもこういう風に公になっているので、これから以降の会談があるとすれば、率直に意見交わせると思って頂けるものだと思っているので、こういうことも含めて詰めていかないといけない作業だと思っている。

記者 今朝、知事公舎に県議会与党全員を集めた。理由と、どういった話をしたのか。

知事 与党の皆さん方には官房長官の会見が終わった後、しっかり私どもの合意内容と間違いがない中で私も記者会見するので、与党議員の皆さんも内容等で間違いなくやるであろうと。ただ、官房長官の記者会見の内容を確認してからということを話をした。

記者 政府との集中協議。明日以降、知事は上京予定だが、早ければ今週中に東京で開催があるか。

知事 この辺も、例えば7月31日に会うのも参院集中審議があるということでなかなか時間がはっきりしない中でのことだった。これから総理が7日にお会いできると聞いているが、その中でとりあえずの1回の時間が取れるか、これから恐らく相談になるんじゃないかなと思っている。

記者 立ち入り調査の流れはどうなるか。

知事 5カ月ほど前から立ち入り調査をさせてくれとシミュレーションはずっと描いてきているので、一定程度の期間が与えられたら、事務方に聞いたらできると言っているので、台風など来たら別だが、普通の状況であれば全部対応できると聞いている。それは可能かと思っている。