【奄美大島で新垣綾子】1944年8月の対馬丸撃沈事件の生存者で、うるま市の上原清さん(81)が4日、6日間の漂流を経てたどり着いた奄美大島を戦後初めて訪れ、島の南西部にある宇検村の元田信有(のぶあり)村長らと懇談した。同村は多くの遺体が流れ着いた焼内湾に面しており、元田村長は犠牲者を悼む慰霊碑を村内に建立する方針を伝え「悲しい歴史を、次世代にきちっと語り継いでいかないといけない」と強調した。

元田信有村長(左)ら宇検村関係者に、対馬丸遭難時の様子を語る上原清さん=4日、鹿児島県・宇検村役場

 上原さんは71年前、撃沈の混乱の中、海に飛び込み、イカダにしがみついて宇検村の隣の大和村今里に漂着。奄美の人々の手厚い看護を受けた後、瀬戸内町古仁屋の旅館に収容された。戦後70年がたち、奄美でも当時を知る高齢者が減る中、上原さんは「対馬丸に関するシンボルがあれば、後世の人が思い起こすきっかけになる」と期待を込めた。