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  • 危険ドラッグ販売の梵梵堂創設者らが那覇地検に送検された
  • 創設者は全国展開の中心人物とされ、幹部を通して裏で指揮
  • 宅配係だった男は月給100万円で800人の顧客があったという

 沖縄県警と九州厚生局沖縄麻薬取締支所の合同捜査班は3日、危険ドラッグ販売を全国展開した梵梵堂(ぼんぼんどう)グループ創設者で愛知県のA(44)、B(41)の両容疑者を薬事法違反(業として指定薬物所持)などの容疑で那覇地検に送致した。A容疑者はグループ全体を指揮し、危険ドラッグを店舗や宅配型で全国にまん延させた中心人物とされる。捜査班はこれまで不明瞭だった業界の実態解明も視野に入れる。

梵梵堂グループ創設者を乗せて那覇地検に入る車両=3日午前、那覇市

 グループは沖縄を含む9都県を拠点に全国へ顧客を拡大した。だが昨秋、主要幹部のC被告=公判中=や従業員らの逮捕が相次ぎ、最後の「梵梵堂沖縄コザ店」など県内拠点も昨年11月の家宅捜索後に廃業。実質経営者のD被告=同=らも逮捕される中、A容疑者が浮上した。

 関係者によるとA容疑者は当初、名古屋を中心に沖縄でも飲食店を経営したが、法規制が当時弱かった脱法ハーブ(危険ドラッグ)に着目した。ある捜査員は「覚せい剤などに比べ摘発リスクが低く、当時の法のグレーゾーンを突いて稼げると見込んだのだろう」と推測する。

 経営手法は巧みだった。関係者によると、捜査の手が及ぶことも想定し従業員だったC被告をグループ幹部に、自身は裏で指揮を執った。C被告の逮捕後は別の幹部を通し指示。店舗では若者を高時給で雇い、接客や行政対策もマニュアル化した。警察とのやりとりを従業員に録音させたことも確認されている。

 一方、B容疑者は商品・資金管理など主要な役割を担ったとされる。幹部の逮捕後、銀行振り込みだった売上金はレターパックでB容疑者へ送られた。仕入れから配送まで担う別会社の責任者でもあったという。

 「昼の3時から夜中の3時まで、ずっと走った。多くて1日20~30件の注文があった」。沖縄県内で宅配を担った梵デリ那覇の元従業員の男は公判でこう証言した。給与は月100万円。男の携帯電話には、述べ約800人の顧客が登録されていたといい、県内での「薬物需要」の深刻さがうかがえる。

 ある捜査関係者は「確実に流通量は減ったが、ネット販売や宅配の形で出回ることは予想される。油断はできない」と力を込めた。