翁長雄志県政で初めてとなる国庫要請は、2016年度予算で引き続き沖縄振興予算3千億円台の確保などを求める。辺野古新基地建設で政府との対立が深まる中、沖縄県の要望がどれだけ反映されるのか。4日には政府が辺野古の作業を一時中断すると発表した。基地問題の「休戦」で、県側からは議論を予算に集中できるとの見方も上がる。

沖縄県庁

 要請内容は、那覇空港の第2滑走路や沖縄科学技術大学院大学(OIST)の拡充分を除いて3千億円台を確保することや、鉄軌道導入に向けた関連経費の計上など、いずれも仲井真弘多県政時代の内容を踏襲する形。本年度予算で、不用額などを理由に減額された一括交付金はハード交付金で増額を求める。

 要請内容が従来と変わらないことについて県幹部は、「知事は21世紀ビジョンは基本的に踏襲すると言っており、前知事と基本的なスタンスは変わらない」と説明。3千億円台の枠を確保し、一括交付金などを使った施策の中身で翁長カラーを打ち出す考えだ。

 一括交付金は、減額の理由とされた不用額を減らすため、本年度はすでに状況調査に取り組み、無駄を生じさせないよう対策も練っている。

■基地問題とリンクせず

 「3千億円台は、ある意味約束だと思う。それをベースに考えていきたい」

 2日、跡地利用に取り組む西普天間住宅地区(宜野湾市)などを視察した山口俊一沖縄担当相は、前向きな姿勢を示した。13年に辺野古の埋め立て申請を承認した仲井真前知事に対し、安倍晋三首相が21年度まで3千億円台を確保するとした約束が念頭にある。

 「常日頃、基地問題とはリンクしないと大臣も発言している。対応してもらえると思う」。国庫要請の内容が決まった3日の庁議後、県幹部はこう解説し、対立が深まる基地問題が予算へ影響することへの不安を打ち消した。

 要請が迫る4日、政府は辺野古の作業を一時中断すると決めた。別の幹部は「国庫要請の時期に、(基地問題の)休戦というのはかなり助かる。互いにリンクしていると思われず、知事は予算だけに集中できるのではないか」と、プラスに働くとみる。

 7日には翁長知事が安倍首相へ直接要請する。同幹部は「基地問題の中身の議論は今後の協議の場がある。予算だけにしぼった方が話しやすいのは当然だ」と見通した。(政経部・大城大輔、福元大輔)