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  • 沖縄地銀3行の貸出金利低下が加速。6月は1.897%で過去最低に
  • 好景気を背景に競争が激化。ネット銀行や鹿児島銀行参入も拍車
  • 県内金利は全国に比べ割高で、下げる余地はまだあるとの見方も

 沖縄県内地銀の貸出金利の低下が止まらない。日本銀行那覇支店(蒲原為善支店長)が5日公表した地銀3行の6月分平均は1・897%で、2001年の調査開始から過去最低となった。日銀の大規模な金融緩和で全国的にも低下傾向が続く中、県内では好景気を背景に貸し出し競争が激化、低下に拍車を掛けている。9月には鹿児島銀行の出店もあり、蒲原支店長は「競争が増すため、低下基調は続くだろう」と見通す。(照屋剛志)

貸出約定平均金利の推移

 日銀が13年4月から打ち出している大規模な金融緩和は、景気を刺激するため国債を買い取り、市場に出回るお金の量を増やしている。市場に出回る国債の量が減少し、国債の利回りは下げ止まったまま。国内の銀行が参考にしている長期金利は、10年物国債の利回りと連動しており、全国的に金融機関の貸出金利を押し下げている。

 一方、県内は地方都市で唯一、人口と世帯数の増加が続いており、住宅需要が旺盛。住宅ローンは金額が多い上、返済期間が長期にわたり、ほかのローン商品や投資信託などの販売も期待でき、個人向け融資では何としても獲得したい分野。各行ともしのぎを削っており、金利の低下が続いている。

 好景気を背景に企業業績も回復しており、企業向け融資も伸長。15年3月期決算では地銀3行の貸出金残高の伸び率は前期を大きく上回り、金利の低下分を補って収益改善につながった。

 ただ、高まる資金需要は、県内地銀間の競争に加え、インターネット銀行などの県外金融機関の参入を招き、金利低下に拍車が掛かる。

 県内の貸出金利は全国に比べ、割高で引き下げ余地がまだあるとみる金融関係者は多い。

 地銀担当者は「全国の金利で勝負されると対抗上、引き下げざるを得ない」と県外金融機関との競争も低下要因と説明する。

 9月には鹿児島銀行が、県外地銀としては戦後初めて県内に進出する。さらなる競争激化で各行とも金利低下は避けられないとみており、貸出金量で稼ぐ考えだ。

 地銀幹部は「県外から見れば沖縄は魅力的な市場と映るのだろう。資金需要を取りこぼさず、収益を確保したい」と話した。