【奄美大島で新垣綾子】71年前の8月に学童疎開船「対馬丸」が撃沈された後、多くの遺体や生存者が流れ着いた奄美大島の船越海岸沖で5日、奄美では初めてとなる洋上慰霊祭が営まれた。黙とうの後、子どもたちが好みそうなチョコレートや黒糖、おもちゃなどを海に投げ入れ、犠牲者に哀悼の気持ちを表した。

対馬丸犠牲者を悼み、開南小児童が折った千羽鶴を海に流す上原清さん=鹿児島県・奄美大島沖(新垣綾子撮影)

 6日間の漂流を経て島の人に助けられた、うるま市の上原清さん(81)が発案し、船越海岸を抱える宇検村や那覇市の対馬丸記念館の後押しで実現した。上原さんは宇検村の松井富彦副村長と、手作りの小さないかだの灯籠やウチカビなどのほか、「漂流中、一番つらかったのがのどの渇きだったから」と奄美の最高峰、湯湾岳の清水を海へ。「この場所での慰霊祭は、生存者としてやるべきことだと思ってきた。肩の荷が下りた気持ちだ」とほっとした表情を浮かべた。